...この界隈(かいわい)では葉子は眦(まなじり)を反(かえ)して人から見られる事はあるまい...
有島武郎 「或る女」
...彼の睚眦(まなじり)に震へを感じさせた...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...外眦(めじり)をきりきりさせてそこに突立っていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...其両侯の睚眦反目を融解せむと勉むるは何ぞ怪むに足らむや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...約束ですから」参謀の眦のあたりがへんに蒼ずんできた...
久生十蘭 「だいこん」
...眦(まなじり)を蒼ずませ...
久生十蘭 「だいこん」
...涙が眼眦に滲んで来るのを感じた...
牧野信一 「蚊」
...稍しばらく眼眦をおさへたまゝだつた...
牧野信一 「「樫の芽生え」を読みて」
...おまけに籔睨みらしく黒眼が眼眦に隠れかゝつてゐるのであつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...眼眦(まぶち)に滲むだ黄色の光りは――鍵(キー)に奏でらるゝ夢幻曲の譜となつて...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...夢見るやうに眼眦をかすめて微かに首を揺りうごかせながら...
牧野信一 「バラルダ物語」
...キリキリと箭(や)を眦(まなじり)へ当ててふかく引きしぼり...
吉川英治 「三国志」
...趙雲は義憤に燃ゆる眦(まなじり)をあげて...
吉川英治 「三国志」
...眦(まなじり)に血涙をたたえて...
吉川英治 「三国志」
...そんな眦(まなじり)をつりあげていられないのみか...
吉川英治 「新書太閤記」
...その眦(まなじり)に...
吉川英治 「親鸞」
...眦(まなじり)がつりあがった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...眦(まなじり)からつたう涙が耳の穴へながれこむ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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