...私共はかう云ふ真面目な小雑誌の一つ生れる方が下だらない文芸雑誌の十も生れるよりはたのもしく思ひます...
伊藤野枝 「寄贈雑誌」
...理学博士木戸信之(きどのぶゆき)氏は真面目なる学徒以外の何者でもない...
海野十三 「キド効果」
...――これは真面目な大事な話だから...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...そこに恐ろしく生真面目な...
大島亮吉 「涸沢の岩小屋のある夜のこと」
...勿論これは真面目な劇団の話ではない...
高田保 「恋文」
...急に真面目な調子に返った...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...わたし達一家族を養つて行く真面目な考のない事は...
永井荷風 「来訪者」
...Y君が生真面目な顔をしてカメラに齧りついている...
中谷宇吉郎 「映画を作る話」
...真面目な響を与えなかった...
夏目漱石 「それから」
...真面目な「土」を読む眼はあるのである...
「『土』に就て」
...これはやはり私の暮らしが生真面目なせいだろう...
野村胡堂 「平次と生きた二十七年」
...彼が非常に真面目な青年だということだった...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...死の季節を生き抜いて来た若い世代の真面目な作品がこの頃読めることも私にとつては大きな慰藉である...
原民喜 「死について」
...十分に打解けるつもりでゐてもこんな生真面目な話になると「君」とは云はないで「貴方」と云はなければならないのを白川は本意ないことに思つた...
平出修 「瘢痕」
...そして真面目な顔をして...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...前日来の病もまだ全くは癒(い)えぬにこの旅亭に一夜の寒気を受けんこと気遣わしくやや落胆したるがままよこれこそ風流のまじめ行脚の真面目なれ...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...あるものは稲妻のように調子をかえて真面目な顔をよそおい...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...それこそ滅多に見られない真面目な眉と眉があった...
吉川英治 「新書太閤記」
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