...それでもいよいよの真際(まぎわ)になっては僕に逢いたかったに違いない...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...とすぐにわたしを弾き出した」「節句の真際になって金を借りに行ったって...
魯迅 井上紅梅訳 「端午節」
...鏡の真際に寄って立っていた...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...舞台に出る真際などに受取つて...
高田保 「恋文」
...卒業真際(まぎわ)に...
太宰治 「惜別」
...出発真際に、兄のところへお客さんが見えたので、私たちだけ一足さきに出かけた...
太宰治 「津軽」
...しかしその仕事の真際中に彼は突然細君の病気を想像する事があった...
夏目漱石 「道草」
...今朝送り出した真際(まぎわ)は一時に迫って...
広津柳浪 「今戸心中」
...八十七箇所は落ち無く巡つて今一箇所といふ真際になつて気のゆるんだ者か...
正岡子規 「犬」
...息を引きとる真際(まぎわ)まで...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お互に伯林を立たうと思つてゐる真際(まぎは)に...
森鴎外 「魔睡」
...それから千久馬は帰る真際になって...
山本周五郎 「はたし状」
...死の真際などに語ればさうした...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...真際(まぎわ)にお救いがあるかも知れない――...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...水戸へお立帰りの真際(まぎわ)まで...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...すぐ再び尾張へ向けて立つ真際(まぎわ)に...
吉川英治 「源頼朝」
...今朝の真際になって?)と...
吉川英治 「源頼朝」
...――出陣の真際、恥ずかしいが、良い馬に事を欠き、思案にくれたあげく、お厩(うまや)の御料一匹おねだり申そうかと考えたが、もし、下された馬がさほどの逸物でなかったら、合戦に臨まぬうちから、我のみ負(おく)れをとる...
吉川英治 「源頼朝」
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