...やがて夏も真盛りのある日の事...
芥川龍之介 「邪宗門」
...その中の二つは真盛りの奇麗な石竹...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...早川渓谷の秋は、いまは真盛りで、いたるところの草木の色は美(うるわ)しい...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...農家は今が忙しい真盛りだ...
種田山頭火 「行乞記」
...南国の真夏の暑い真盛りに庭に面した風通しのいい座敷で背中の風をよけて母にすえてもらった日の記憶がある...
寺田寅彦 「自由画稿」
...夏の真盛りで、宿という宿は皆ふさがって、途方に暮れておられるのを見兼ねて、妻(さい)と相談の上自分らが借りていた八畳二室(ふたま)のその一つを御用立てることにした...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...日本に帰(かえっ)て見れば攘夷論の真盛りだ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...庭には海棠の花が真盛りに満ちてゐた...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...初秋の真盛りの陽りが碧い空と...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...今やもう真盛りのやうに陽(ひ)に映えて...
牧野信一 「武者窓日記」
...枝頭万朶の春真盛りなる桜林の裏にこそ出でたれ...
正岡容 「巣鴨菊」
...明治四十三年の四月、桜の真盛りに、福岡市の洲崎お台場の空地(今の女専所在地)で九州沖縄八県聯合の共進会があった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...つまりそうした好奇心の一番強い真盛りの娘ッ子で...
夢野久作 「二重心臓」
...徳川中興の名将軍吉宗公の後を受けた天下泰平の真盛り...
夢野久作 「名娼満月」
...垂直に立ち連った菖蒲の花が真盛りである...
横光利一 「旅愁」
...それはリラの花(支那語では紫丁香)が庭を埋めて真盛りに咲いてゐるのであつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...まだ真盛りであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...藤の花が真盛りで...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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