...古いストオヴを据ゑた店には例の眇(すがめ)の主人が一人...
芥川龍之介 「あばばばば」
...あの眇だと云ふ事実も...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...どうもさっき側(そば)にいた眇(すがめ)の小銀杏ででもあるらしい...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...これはその眇(すがめ)に災いされて...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...眇目の老人さへゐなければ...
石川啄木 「刑余の叔父」
...眇目(すがめ)の老爺は面白相に笑つた...
石川啄木 「散文詩」
...にらむとこの子はやや眇目(すがめ)になるのだ...
梅崎春生 「魚の餌」
...眇(すがめ)だった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...あいつはかつ子が軽微の眇眼(すがめ)なのを誤解して自分に秋波を送つてゐるのだと有頂天になつた莫迦(ばか)野郎だが...
武田麟太郎 「現代詩」
...隻方の眼が眇になっている老人であった...
田中貢太郎 「虎媛」
...殆ど土佐派を眇視して自由党を我物顔に振舞ひ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...而かも今は即ち眇として當に掌中に握取す可きが如し...
長塚節 「草津行」
...浚渫(さらひ)船はいづこの海を浚つてゐるのだらう鉄片は沈んで沈んで港の底眇の眸を覗かせるよああ気なげな空想を抱いてゐるぞねそべつた比目魚が吐きだす泡にぶらさがりゆらゆら海面に昇つてゆく鉄片の願望よおをい!海上遠く...
仲村渠 「港に沈んだ鉄片の希望」
...一目(いちもく)を揺(うご)かせば一目を眇(びょう)す...
夏目漱石 「虞美人草」
...菊石(あばた)で眇目(すがめ)だつた日にや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...眇目(めつかち)にならずに濟みましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ことにいまは眇(いすか)になったような斜視がたえまなく白い糸のようなものを壁のそとにそそいでいるようであった...
室生犀星 「香爐を盗む」
...そのとき不思議に女の眼がだんだん眇(いすか)になり出してきたのである...
室生犀星 「香爐を盗む」
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