...向うの軒先に吊(つる)した風鐸(ふうたく)の影も...
芥川龍之介 「東京小品」
...ソロモンの使者の駱駝はエルサレムを囲んだ丘陵や沙漠を一度もシバの国へ向ったことはなかった...
芥川龍之介 「三つのなぜ」
...と自分で思うほど一向な暢気(のんき)...
泉鏡花 「悪獣篇」
...男の方へ向き直って云った...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...それから雷門に向って左の方は広小路(ひろこうじ)です...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...外廓(そとぐるわ)の濠(ほり)の向うにある本陣の方は定めし備えも怠っているであろうし...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...」彼がテーブル掛けにうつ向いた時彼の長い幽欝(ゆううつ)な顔はいよいよ長くより幽欝になった様に思われた...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...やがて二人は差向いになった...
徳田秋声 「仮装人物」
...酔ってる父はベンチの上に仰向にねそべり...
豊島与志雄 「父の形見」
...差し向いで飲んでいた...
豊島与志雄 「どぶろく幻想」
...前から棒で打ってかかった長太に向って...
中里介山 「大菩薩峠」
...「旦那様はさぞ猟がお上手でいらっしゃいましょうね」日当りの好い南向(みなみむき)の座敷に取り残された二人は急に静かになった...
夏目漱石 「明暗」
...眼をそちらに向けた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...衣物は一向ハヤかまはないたちで...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ベナが相方に問いかけるように眼を向けた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...たとえばもうすっかりそこらのお神さん同様の心持ちになってしまっていて「芸」の話なんか見向きもしないお艶ちゃんになってしまっていたならば...
正岡容 「寄席」
...向き合っていて、何か工(たく)んでいられるらしかった...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...裸体の女の群れが波のように踊っている中でも振り向きもせず...
横光利一 「旅愁」
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