...同時に伯爵の体は仰向(あおむけ)に倒れた...
田中貢太郎 「黄燈」
...父と云う人は書画骨董(こっとう)には一向に眼の利(き)かなかった人で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...黒い人影は左手へ向けてぞろぞろと走つて行つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...「これは危険で向こう見ずな企みでしたが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「ライギット・パズル」
...書斎の机に向っている時...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...甲野さんは軽く笑って仰向(あおむ)いた...
夏目漱石 「虞美人草」
...簿記用の帳面が赤い脊皮(せがわ)をこちらへ向けて...
夏目漱石 「道草」
...「ヤマさん、しばらく」グレーのジャンパー・スカートに、緋裏(ひうら)のついたアンサンブルのコートを、マントのように羽織った、外人向きの、高級バアのマダムという見かけの二十七八の女が、そう言いながら、すらすらと部屋にはいってきた...
久生十蘭 「あなたも私も」
...誰に向ってお礼を言ってよいか...
三好十郎 「おりき」
...向つて右が竹垣で...
森鴎外 「金貨」
...向いの家の糸車の音と同じように...
森鴎外 「鶏」
...この本通りを横切った向う横丁にある...
山本周五郎 「季節のない街」
...若い人たちに向つて...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...向うの部屋の状態(ようす)がアンマリ非道(ひど)いんで...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...振り向きもしないで...
吉川英治 「江戸三国志」
...眞直ぐに向けて書いてをるやうな次第であります...
吉川英治 「折々の記」
...馬を向け跳びかかってくるや否...
吉川英治 「三国志」
...向こうの、広い中庭のずっと奥のほうに、鶏小舎の小さな屋根が、暗闇の中に、戸の開(あ)いているところだけ、黒く、四角く、くぎっている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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