...やがて此方(こなた)に向ひて...
泉鏡花 「紫陽花」
...横を向いて聽かないふりをしてゐるお鳥をかばふつもりで...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...といって都へ帰るのも何となく気が向かず...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...向うの方の二階に退散していつたやうでしたが...
近松秋江 「初雪」
...細面の顔を俯向けがちに...
豊島与志雄 「運命のままに」
...戸口は街路に開いており(前に言ったとおり)窓は庭の方に向いていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...俺は聞かん!」ジャン・ヴァルジャンは彼の方へ向き...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日本の兵器研究所なんて向こうの規模に比べたら...
永井隆 「長崎の鐘」
...然し僕が一言の失策をしみ/″\と詫びた時にうつ向いた彼の白い膝に涙が三四點煮染んだ...
長塚節 「開業醫」
...偶然と宿を出(い)でて足の向くところに任せてぶらぶらするうち...
夏目漱石 「草枕」
...父は彼に向かって妹の事をあれこれと尋ねていた...
夏目漱石 「こころ」
...が、俯向いたまま、何故か堅く唇を噛み締めてゐた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...その一向他愛も無いんで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この時は七郎から篠谷の噂を聞いて向つ肚が立つてゐて...
牧野信一 「南風譜」
...つちばり 土針万今名 れんげさう(まめ科)其歌吾屋前(やど)に生(お)ふる土針(つちばり)心従(こころゆ)も想(おも)はぬ人の衣(きぬ)に摺(す)らゆなトアルガ之ヲ倭名鈔ニハ王孫ニ宛テ沼波利久佐(ぬばりくさ)此間ニ云豆知波里(つちはり)トシテアルヲ古名録ニ益母草苗也今名めはじきのわかなへト云ツテアルガ一向其要領ガ得ラレヌ...
牧野富太郎 「植物記」
...たごうべからず――」と袁紹はただちに一軍を迎えに差向けて...
吉川英治 「三国志」
...でんと太鼓腹の恰幅(かっぷく)を向けてみせた...
吉川英治 「私本太平記」
...ふり顧(かえ)る二人の前へ、その仲間僧は駈けて来て、まず、お小僧に向い、「オイ清然(せいねん)、おまえは一体、お客様をご案内して、どこへ行くつもりじゃ」「中堂まで行こうと思って」「なにしに」「お客様が、毎日観音様を彫っているでしょう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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