...外出して歸つた父の袂からは紙にくるんだ煎餠位のお土産が出ぬ事は稀であつた...
高濱虚子 「俳諧師」
...煎餠蒲団(せんべいぶとん)は敷きっ放し...
太宰治 「新釈諸国噺」
...栗山の川俣で食つた栗山餠といふうるちの玄米でつくつた餠が旨かつた...
田山花袋 「日光」
...よくよく咽喉の栓となつた生焼けの餠は...
中原中也 「医者と赤ン坊」
...盆(ぼん)の上(うへ)に燒(や)き餘(あま)りの餠(もち)が三切(みきれ)か四片(よきれ)載(の)せてあつた...
夏目漱石 「門」
...「人は麥餠(むぎもち)だけでは生きないのぢや」初手の天狗が出たとき泥薄(でうす)如來の言はれた言葉ぢやこれぢやで皆樣ひとはたましひが大事でござらう...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...龍華寺(りうげじ)の藤本(ふぢもと)は生煮(なまに)えの餠(もち)のやうに眞(しん)があつて氣(き)に成(な)る奴(やつ)と憎(に)くがるものも有(あ)りけらし...
樋口一葉 「たけくらべ」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...油揚餠(パンプウシキ)だの...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...おそらく餠でも喉につかへでもしたやうに苦悶気の眼を白黒させたことだらう! と...
牧野信一 「心象風景」
...寒餠搗きの手伝ひの方が忙しいつてことだよ...
牧野信一 「剥製」
...「あの齢で餠搗きが出来るなんて!」と私は老婆の大力を感嘆した...
牧野信一 「剥製」
...今晩の亥の子でない明晩の子(ね)の子餠はどれほど作ってまいったものでございましょう」まじめな顔で聞く...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この餠の説明も新夫人に源氏が自身でしたに違いない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...翌朝その餠の箱が寝室から下げられた時に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...鏡餠(かがみもち)なども取り寄せて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...盆にのせた白い象牙のやうな切餠をとり出して見せた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...そしてそれこそ喰べものにも困つてゐはせぬかとわざ/\澤山な餠をついて擔いで來て呉れた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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