...「病氣になつた時、直ぐよい病院にかけて呉れたらよかつたのに、廣田の樣な、あんなへツぽこ醫者へつれて行(い)て、もう、一週間で直る――もう、十日で直ると云うて、直るどころか、なほ惡うなつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...気持のわるいのが直るよ...
海野十三 「火星探険」
...としとってからもその悪癖が直るどころか...
太宰治 「善蔵を思う」
...ぐるりと浅井君の方へ向き直る...
夏目漱石 「虞美人草」
...この時君の長い首は必ず後ろに向き直る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...火焔の如き息を吐く猛牛が立ち直ると...
野上豊一郎 「闘牛」
...ヌケヌケと私が直るなんてとんでもない...
正岡容 「小説 圓朝」
...甲の字と乙の字と取り違へたる場合は致し方なけれど或る字の画を誤りたる場合はこれを印刷に附する時は自(おのずか)ら正しき活字に直る故印刷物には誤字少き訳なり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...二で直るいいか」大将両腕(りょううで)を上げ整枝法のピラミッド形をつくる...
宮沢賢治 「饑餓陣営」
...聖書でも読んで寝てゐれば直るよ...
村山籌子 「こほろぎの死」
...再び旧(もと)のように樹(た)ち直るのは容易なことではありません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...起き直るとすぐに...
山本周五郎 「薊」
...「――わたくしが来て呉れれば兄の不身持も直る...
山本周五郎 「落ち梅記」
...老職に空席ができればそこへ直る位置にあった...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...今日の寄合(よりあい)はこの頭数で充分だ」満足そうに頷(うなず)いて後(のち)、何か金右衛門に顔を寄せて低声(こごえ)に打合せをささやいておりましたが、「時に」と、重い語調で、一同へ向き直る...
吉川英治 「江戸三国志」
...オジ気(け)は直るもんか...
吉川英治 「大岡越前」
...俺どもも立ち直る」などという放言の裏に...
吉川英治 「私本太平記」
...いちど毒をあおった良人は、このごろは、心までその毒にまわされたように、直るどころか、いよいよ荒(すさ)んでゆくばかりに見える...
吉川英治 「親鸞」
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