...白沢、黒沢、扇沢、丸石(まるいし)沢などという激流が、左右から白い泡を吹いて落ちこんでいるのを見ながら行くと、一日で大沢の小舎まで行くことが出来る...
石川欣一 「可愛い山」
...アノ白沢屋とか云ふ木賃宿の縁側に...
石川啄木 「菊池君」
...中に青牛ありしと見え、『白沢図』には、木之精名二彭候一、状如二里狗一無レ尾、可二烹而食一レ之、とあり、亦た『元中記』にも、千歳樹精為二青羊一、万歳樹精為二青牛一、多出二遊人間一、漢桓帝時出遊二河上一、忽見二一青牛一、従二河中一出直走盪、桓帝辺人皆驚走、大尉何公時為二殿中将軍一、有二勇力一、輙走逆レ之、牛見二公往一乃走還レ河、未レ至何公及レ牛、乃以レ手抜二牛左足一脱、以二右手一持レ斧、斫二牛頭一而殺レ之、此青牛是万年木精也、とあり、其他玉の精、金の精、山の精を記し『白沢図』にもまた、水の精を説き、火の精を説き、故井の精を説き、故門の精を説き、其他の種々の精の名を挙ぐること、甚だ詳なり...
高木敏雄 「比較神話学」
...大久保某に断られてから白沢の登路を変更して...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...附記、平ヶ岳はヒラダケとも呼ぶものあり、けだし山巓(さんてん)平坦なるより名を得たるものならん、この山は各種の地理書に漏(も)れたれば、明治の初年には知るものなかりしが如し、それより新式の鉄砲の渡来してより、越後、岩代、上野の猟夫が次第に深山に入り、この山の特殊の山容によりてかく呼びしにあらざるか、この山の地図に露(あらわ)れたるものは、明治二十一年刊行農商務省地質調査所の日光図幅なりとす、その一年前に刊行されたる、陸地測量部の輯製二十万分一図日光図幅には、中岳と記されたり、誤記か誤植かとも思わるれども、余が『日本山嶽誌』刊行の時に、群馬県統計書の山岳部を一覧せしに、魚沼の駒ヶ岳を上野の国界の如くに記されたるやに記憶せり、既に測量部または調査所の二十万分一図出でてより十年近くなりたるに、なお訂正せざる県庁の迂闊(うかつ)にも呆(あき)るれども、その県庁等より十年前に提出せし材料を輯製したるもの故、駒ヶ岳よりも高くしてかつ南に在(あ)る中ノ岳を、上野界に認めしやも知るべからず、同図の只見川以西の国界には西より数えて、荒沢岳、白沢岳、中岳、鶴ヶ岳とありて、鶴ヶ岳を北、南魚沼の郡界となし、鶴ヶ岳より北方に走れる山脈中に、中ノ岳、駒ヶ岳の諸山を描きたり、この図と同年に刊行されたる地質調査所の四十万分一予察図もまた鶴ヶ岳を以て郡界を北走せる山脈の起点とせり、以後鶴ヶ岳を境界とせるものすこぶる勢力あり、翌年に刊行されたる調査所の日光図幅には、只見川以西の国界を西より数えて、入岩岳 2008 平岳 2170 とありて、平岳を北、南魚沼郡界の東に記され、郡界普近(ふきん)(会津図幅も参照せり)には鶴ヶ岳の山名を欠けり、こは殆んど現今の地図に斉(ひと)しきものにして、入岩岳とは鶴ヶ岳のことなり、鶴ヶ岳の称呼は越後方面の名なるが如く、檜枝岐の者は何岩(昨年の手帳を紛失して失念せり)と呼べり、けだし鶴ヶ岳は古生層と花崗岩地に噴出せる輝石安山岩にして、山勢附近の山岳に異なるを以ての故ならん、昨年刊行されたる測量部の五万分一図出でて、地形はじめて明瞭となり、平ヶ岳(平岳に作る)を八海山図幅に、鶴ヶ岳(影鶴山に作る)を藤原図幅に収めたり、地質調査所の二十万分一詳図は、いまだ全部の完結せざる故にや、地理学者の多くは同所の予察図に拠(よ)り、約三十年前に出版されたる日光図幅の正確なるものに採(と)らずして、『大日本地誌』の如きも平ヶ岳を省きて、鶴ヶ岳を載せたり、かくの如く鶴ヶ岳の名はかなりの勢力ありてまた好名称なれば、余は出所も知れざる新名称の影鶴山を避けて、鶴ヶ岳の名を用うるものなり...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...只見川に別れて白沢を溯る...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...ここから川を去って白沢と平岳沢の間に出ている尾根を登るのである...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...九時に野宿所を出発して三時十五分に平岳沢と白沢の出合に下った...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...白沢の水量も減じていようし...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...十分に集ったのを見ると「白沢の関より届にも及ばずして...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...白沢の駅で大銃(おおづつ)を放とうと企てたのが...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...四人も御座って」「その奥州白沢の宿外れにて討たれた者は...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...ただし果実ならびに花の図解剖諸事は白沢保美著『日本森林樹木図譜』による菩提樹(Ficus religiosaL.)インド産菩提樹の真品(いわゆるインドボダイジュ)小野蘭山先生の髑髏この蘭山(らんざん)小野先生の髑髏の写真はじつに珍中の珍で容易に見ることの出来ないものである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...そのやや大規模な崩壊利用といたしましては上伊那郡西春近村の白沢部落かと記憶しておりますが...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...宝永六年板『子孫大黒柱』四に『博物志』に『白沢図』という書を引いて黄金の精を石糖といえり...
南方熊楠 「十二支考」
...出羽国秋田領白沢宿(しらさわじゅく)まで出向いた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...この鞘は主に利根(とね)郡白沢(しろさわ)村高平(たかひら)の産だといいます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
......
柳田國男 「地名の研究」
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