...酒でも催促するようで癪だからこっちからは出向かずと――塾では先生にお目には掛(かか)るが...
泉鏡花 「薄紅梅」
...歸らないのが癪だから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...知らないというのは癪だつたから...
大下宇陀児 「擬似新年」
...船の出るまでキャビンの中に閉じ籠っているのも癪だし...
大杉栄 「日本脱出記」
...生きてゐることそのことが癪だ!メボが出来るらしい...
種田山頭火 「其中日記」
...畜生っ、こう、突いたら何うする」「あれえー、お父さん、恐いようっ、と、ひらりと躱(かわ)して、角の王手だ」若い衆は、二人を見たり、盤を見たりしながら、ほのかに、店から流れ出している灯の中に立っている、睦まじそうな二人に「王手、嬉しい、二人の仲、か――俺(おいら)、癪だから、こう、お城の中へ、お引っこもりだわな」二人は、店先を離れた...
直木三十五 「南国太平記」
...そうかと言ってこうなると抜かれるのも癪だから...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分に足で戦いを挑(いど)むような仕打ちがいよいよ癪だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...その意味をきいてとても癪だつた...
林芙美子 「淪落」
...ええ、癪だな、畜生!間抜けた汽笛なんか気にすることあねい...
波立一 「五月一日」
...日本へ逃げていたおかげで、助かったなんて言われるの、癪だからよ...
久生十蘭 「川波」
...癪だから、あのトラックが来るまで、あそこに立っていて、睨みかえしてやるの」「なんだか、わからない話だな」「でも、それをしないと、一日中、気になってたまらないの...
久生十蘭 「春雪」
...そんなところ、なかなか小癪だ...
堀辰雄 「Ein Zwei Drei」
...少しでも細君に此方の心を悟られるのが癪だつたので...
牧野信一 「再婚」
...癪だった……」親戚に不幸があったとかで...
「鏡餅」
...拷問の跡だって威張ってた」「――ふうむ」「あたい癪だった――皆そんなんかと思うだろうと思ってさ」祖父(じっ)ちゃん祖母(ばっ)ちゃんが来て暮すようになってから...
「小祝の一家」
...癪だね」「ねえ!」そんなことを話し合って監房の金網から左手の欄間を見上げると...
宮本百合子 「刻々」
...公綱にはそれも小癪だし...
吉川英治 「私本太平記」
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