...丁度癩(らい)を病んだ犬のように...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...建物のなかに淀(よど)んでゐた例の欝々と病んだやうな梅の重たい匂とが...
犬養健 「朧夜」
...生前痔疾(じしつ)を病んだことを思い出したのだった...
海野十三 「西湖の屍人」
...病んだゝめでもある...
種田山頭火 「行乞記」
...肺尖加答児(カタル)を病んだこともあるそうだった...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...同宿の不行儀なのを苦に病んだりした事だらう...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...けれども彼らの雨曝(あまざら)しになるのを苦(く)に病んだほどの大嵩(おおがさ)なものはどこにも見当らなかった...
夏目漱石 「明暗」
...それはとうてい病んだものでなければ窺知することのできない特種な世界であつた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...舞台監督は狼狽(あわて)て緞帳(どんちょう)をおろしてしまったが――赤面と心痛――開場式に頭が飛ぶとは――彼女は人知れずそれを心に病んだ...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...その三百二阿部正弘が丁巳の歳に病んだ時...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」阿部正寧(まさやす)が東京石原邸に於て病んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...――成武が脳を病んだ直後から...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...病んだ妻の着物が竿に長くかかつてゐた...
横光利一 「寢たらぬ日記」
...背なかの真ン中に癰(よう)というものを病んだ...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...義貞が瘧(ぎゃく)を病んだのは事実だが...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...幼少にほうそうを病んだからである...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...わたくしはかつて芭蕉と病んだ曽良とが旅に別れた折のことなどを思ひ出した...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
...二胸を病んだ白藤鷺太郎(しらふじさぎたろう)は...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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