...病んだ精神のうらぶれた中年男として...
梅崎春生 「幻化」
...このようにして病んだ人々は出来るだけアスクレピオスの神殿で祭壇に近づく...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...信長の首が分らないので光秀がひどく気に病んだと云う話があるから...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...一九一三年の春は肋膜(ろくまく)を病んだ...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...同宿の不行儀なのを苦に病んだりした事だらう...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...身体の節々が病んだりして...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...けれども彼らの雨曝(あまざら)しになるのを苦(く)に病んだほどの大嵩(おおがさ)なものはどこにも見当らなかった...
夏目漱石 「明暗」
...舞台監督は狼狽(あわて)て緞帳(どんちょう)をおろしてしまったが――赤面と心痛――開場式に頭が飛ぶとは――彼女は人知れずそれを心に病んだ...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...もう一つ別のにおいがかすかにまじっているらしかった――この病んだ都会のにおいが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...此年冬榛軒は癰(よう)を病んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...只市川団十郎父子の病んだ時だけは此例に依らなかつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ある僧が旅で病んだがこの村の人が手篤(てあつ)く看護したために癒(い)えたという...
柳宗悦 「陸中雑記」
...母親は長く腎臓(じんぞう)を病んだのち...
山本周五郎 「青べか物語」
...――成武が脳を病んだ直後から...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...七年病んだあげく今年の二月に死んだ...
山本周五郎 「ひとでなし」
...去年(寛文六年)の正月には松山(茂庭周防)が病死した」――半年ちかく病んだあとでございました...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...するとそれを苦に病んだものかどうかわからぬが...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...中風を病んだ揚句じゃによって...
吉川英治 「宮本武蔵」
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