...片目に熱を病んだような光を帯びて...
芥川龍之介 「偸盗」
...頭瘡(づさう)を病んだ老妻と...
芥川龍之介 「庭」
...可哀そうなピンスボルグはそれを苦に病んだ末...
谷譲次 「踊る地平線」
...一九一三年の春は肋膜(ろくまく)を病んだ...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...嘗て胃腸を少しく病んだことがあるが...
豊島与志雄 「旅だち」
...柏軒が京都の旅寓に病んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」此役正方は軍中に病んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...藤陰は東京より帰つた直後に病んだと見える...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...母親は長く腎臓(じんぞう)を病んだのち...
山本周五郎 「青べか物語」
...母が死んだのは黒門のことを気に病んだためであった...
山本周五郎 「似而非物語」
...去年(寛文六年)の正月には松山(茂庭周防)が病死した」――半年ちかく病んだあとでございました...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...あれから足を病んだもんで……」「足をどうかなさったんですか」「冬になると痛むだ...
山本周五郎 「柳橋物語」
...それを気に病んだものか子爵様は間もなく疳が昂ぶり出して座敷牢みたようなものの中へ入れられてしまった...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...例へば武藏といふ一人の人物が病んだ足を引きずつて山巓に登つて行くといふだけのことを...
吉川英治 「折々の記」
...この天相は、なんの瑞祥(ずいしょう)だろうか」事毎に、彼は気に病んだ...
吉川英治 「三国志」
...背なかの真ン中に癰(よう)というものを病んだ...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...幼少の時に病んだ疔(ちょう)という腫物(できもの)のあとで...
吉川英治 「宮本武蔵」
...わたくしはかつて芭蕉と病んだ曽良とが旅に別れた折のことなどを思ひ出した...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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