...私は疵口から流れ出た血を見た...
ギィ・ドゥ・モオパッサン Guy de Maupassant 秋田滋訳 「狂人日記」
...まるで基督(キリスト)が復活してきた時に磔柱(はりつけ)になった後の疵口(きずぐち)へ手を突っ込ませてみせてくれなくちゃ...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...其皮の上、横にして、劔(つるぎ)を拔きて鋭き矢股より斷ちて、流れづる黒き血潮をあつき湯に 845拭ひつ、やがて其上に苦(にが)き草根、くるしみを留むるものを施せば、ユウリュピュロスの一切の苦惱は去りぬ、疵口は乾きぬ、血潮とどまりぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...他の一人は地の上に無慚に伏して鮮血は疵口よりし流るゝを...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...敵人あまた斬りこみし 420其疵口は癒されて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...疵口には、血が赤黒く凝固し、毛も血で固まっていた...
直木三十五 「南国太平記」
...玄白斎は、杖の先で、着物を押し拡げ、疵口を眺めて、血糊を杖の先につけていた...
直木三十五 「南国太平記」
...その瞬間、侍は、疵口を押えて、火の中へ倒れかかろうとするお由羅を、後方へ押し戻した...
直木三十五 「南国太平記」
...疵口は、血でかたまっていた...
直木三十五 「南国太平記」
...政吉を恐ろしく思う)徳之助 (手拭で疵口を結ぼうとする)政吉 (それを手で斥け)俺あお前にゃ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...一週間過ぎれば疵口(きずぐち)も癒(い)えてしまって外の鶏と遊んでいてどれが去勢したのだか分らない位だ」小山「そういうものかね...
村井弦斎 「食道楽」
...君の話によると巧(たくみ)にさえ遣(や)れば跡(あと)は直(じ)きに癒(なお)るようだがその疵口が膿(う)んだり腫(は)れたりして病気になる事はないかね」主人「それは大丈夫さ...
村井弦斎 「食道楽」
...疵口を縫う糸も普通の外科用の消毒糸で沢山だ...
村井弦斎 「食道楽」
...ひろがる一つの疵口(きずぐち)のように感じながら...
山川方夫 「朝のヨット」
...いまは彼女の中の一つの巨大な疵口(きずぐち)であり...
山川方夫 「朝のヨット」
...切り裂かれた疵口(きずぐち)からは怨めしそうに臓腑(ぞうふ)が這(は)い出して...
山田美妙 「武蔵野」
...その疵口は水夫長が手ずから強いアルコールで拭き浄めてやったものであった...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...疵口(きずぐち)を嘴(くちばし)で押さえているもの...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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