...なるほど入院したてには燃えるように枝を飾っていたその葉が一枚も残らず散りつくして...
有島武郎 「小さき者へ」
...一切の枝葉を掃(はら)ひ...
石川啄木 「雲は天才である」
...と思つたら 突然 自分は 百萬年 以前 高い 木の 枝に 睡る 猿で あつた と いふ 考へが 浮んだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...(数枝) 余計なお世話だわ...
太宰治 「冬の花火」
...ちょと枝を執(と)って来る...
田中貢太郎 「竈の中の顔」
...路(みち)の左側から下垂れて出た赤松の枝が頭の上にあった...
田中貢太郎 「白っぽい洋服」
...枝もたわわに柿の実の地へとどき彼岸花の赤さがあるだけ・つかれてもどるに月ばかりの大空九月廿日 小郡町矢足(ヤアシ)其中庵...
種田山頭火 「行乞記」
...枯枝のような腕がしばらくトコロテンのようにふるえていた...
徳永直 「冬枯れ」
...妙なる枝振りの林檎...
戸坂潤 「獄中通信」
...手袋をたらしたような石楠花から偃松の枝をつかんだときは瞼があつくなった...
中村清太郎 「山岳浄土」
...前には樹枝状の六花(ろっか)の結晶が出来た条件で...
中谷宇吉郎 「雪雑記」
...小さい妹の一人が折りとつてくれた木莓(きいちご)の花の一枝があつた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...堤の上に乾してあつた乾草を胡桃の枝に渡して...
葉山嘉樹 「氷雨」
...あの杉ぁ枝打(えだう)ぢさなぃのか...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...中條咲枝より――発信人は咲枝となっているが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...菊の花のややうつろになった小枝を...
柳田国男 「故郷七十年」
...幹や枝葉も痩せているようにみえるが...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...始めは繋り合う木の葉に遮(さえ)ぎられているが、次第次第に烈しく落ちて、枝がぬれ、幹がぬれ、草がぬれ、自分らの纏(まと)っている糸径(いとだて)がぬれ、果ては衣服にも沁(し)み透(とお)る...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
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