...例の疳高い一本調子で...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...疳高い声が心配そうに訊いた...
海野十三 「深夜の市長」
...大変よ」疳高い叫び声と同時にオルガ姫は...
海野十三 「地球要塞」
...疳高い透き通るような声で...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
......
種田山頭火 「行乞記」
...萩がちつたり虫がないたり峠くだればゆふべの牛が鳴いてゐる・夕立晴れるより山蟹のきてあそぶかな長屋あかるく灯して疳高いレコードの唄アンテナがあつて糸瓜がぶらさがつて鉄道工事長屋で九月十五日降りさうなが...
種田山頭火 「行乞記」
...それに彼の声は細い疳高い響きを持つてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...「やつぱり徳さんが多いね」小谷は疳高い声で云つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...疳高い――それでゐて何處か押し潰されたやうな所のある――チャモロ女の合唱の聲が響いて來る...
中島敦 「環礁」
...疳高い甘え声が、真昼の暑熱が漸く鈍い渾然さをみせた夕刻の空気の中を、矢のやうに走つた...
中原中也 「医者と赤ン坊」
...お大名を称へてゐる女の疳高い声や睡さうな男の声がしてゐた...
中原中也 「古本屋」
...お粒の疳高い声で...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...狂い出した鸚鵡のような疳高い声で絶え間もなく報告される...
久生十蘭 「魔都」
...みんな逃げてしまふだらう……」たしかに母の疳高い嘆声だつた...
牧野信一 「好色夢」
...守吉の方は親父の弱味をねらふかのやうに疳高い金切り声を挙げるのである...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...「兄さん!」冬子の疳高い声が隣りの部屋に聞えた...
牧野信一 「波の戯れ」
...幾度もわるい疳高い節や調子をなほした...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...すると突然疳高い聲が私の胸を貫いた...
若杉鳥子 「烈日」
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