...葉子に一種の獰悪(どうあく)な誇りをもってそれをして...
有島武郎 「或る女」
...怒れば獰猛になって敢闘する性質であったから...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...物凄い黥(いれずみ)をした南海の獰猛(どうもう)な土人の姿でも御想像なさるかも知れません...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...人間の愚昧(ぐまい)と獰猛(どうもう)とにたいする争闘とはいかなるものであるか――歓喜の笑いを浮かべてそれらを蹂躙(じゅうりん)する力とはいかなるものであるか...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...獰猛(どうもう)で不潔で卑小で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...異常な獰猛(どうもう)な知力がよみがえり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...獰悪な眼の光を浴びせられたものがあるならば...
中里介山 「大菩薩峠」
...この混雑紛(どさくさまぎれ)に自分もいつの間(ま)にか獰猛(どうもう)の仲間入りをして...
夏目漱石 「坑夫」
...あんな獰猛(どうもう)もこっちさえ強くなりゃちっとも恐ろしかないんだ...
夏目漱石 「坑夫」
...婉轉たる嬌音は獰猛なる蠻聲にからみ...
羽田亨 「聚樂廻り」
...自分の全身が獰悪な猛獣に取り巻かれてゐるやうな気がしだして...
北條民雄 「間木老人」
...どっちが最も獰猛か...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...あちらで父は獰猛な暴徒に襲われて...
宮城道雄 「山の声」
...女房というものは獰猛(どうもう)なものだということを余りえらすぎて忘れたのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...却々獰猛な顔つきの土佐ブルの貰ひ手はなかつた...
室生犀星 「鉄の死」
...体力と獰猛さと狡智がエスキモー犬に匹敵した...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...鬚(ひげ)だらけの獰猛(どうもう)な赤面(あかづら)を仰ぎながら...
夢野久作 「戦場」
...ひとを見れば脅(おど)すもののように持っていたあの獰猛な眼も...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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