...「どうかなあ」という疑懼(ぎく)が...
太宰治 「散華」
...疑懼(ぎく)し……その我と我から醸(かも)す邪推や危惧(きぐ)や...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...墜落しはすまいかという疑懼のために後に引戻されることがある...
豊島与志雄 「明日」
...あれら死人同様の者ども!……クリストフは疑懼(ぎく)しなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...いつも疑懼(ぎく)の念をいだいてるらしかったが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...試されてるのではないかという疑懼の念も起った...
豊島与志雄 「反抗」
...不安と疑懼(ぎく)とを包む空気の中へ入って行きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...恐怖と疑懼(ぎく)とにさいなまれて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...之を疑はんと欲して中心に其疑懼の端を得ざる者なり...
福沢諭吉 「帝室論」
...今の疑懼(ぎく)の心持は昔マドレエヌの家の小さい客間で...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...欺かれるのではないかと疑懼(ぎぐ)するのでした...
本庄陸男 「石狩川」
...堀が今少しく精(くは)しく知りたいと思ふやうな事は書いてなくて、読んでも読んでも、陰謀に対する九郎右衛門の立場、疑懼(ぎく)、愁訴(しうそ)である...
森鴎外 「大塩平八郎」
...疑懼(ぎく)が生じて来た...
森鴎外 「大塩平八郎」
...跡部が丁度この新(あらた)に生じた疑懼(ぎく)に悩まされてゐる所へ...
森鴎外 「大塩平八郎」
...渋江氏では疑懼(ぎく)の間に年を送った...
森鴎外 「渋江抽斎」
...この疑懼が意識の閾(しきい)の上に頭をもたげて来るのである...
森鴎外 「高瀬舟」
...疑懼のため行かなかったロペス・デ・カルバリョなどであった...
和辻哲郎 「鎖国」
...人々は疑懼し、神父クエリヨもそれを危んだが、純忠は決然としてその招待に応じた...
和辻哲郎 「鎖国」
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