...世間を呑込(のみこ)んで少しも疑懼(ぎく)しない気象と...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...犯罪者の疑懼(ぎく)などは影さえも差さなかった...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...「どうかなあ」という疑懼(ぎく)が...
太宰治 「散華」
...疑懼(ぎく)し……その我と我から醸(かも)す邪推や危惧(きぐ)や...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...皆(みんな)にまた口汚(くちぎた)なくいわれる疑懼(ぎく)と...
田中英光 「オリンポスの果実」
...疑懼と不安との念に驅られつゝ病院へもどつた...
長塚節 「開業醫」
...一月に女を後にして來る時は心は疑懼と不安とを感ずるのみであつたが其夜女に去られた時はつく/″\...
長塚節 「開業醫」
...不安と疑懼(ぎく)とに顫(ふる)えていたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...疑懼(ぎく)と好奇まで手伝って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...堀が今少しく精(くは)しく知りたいと思ふやうな事は書いてなくて、読んでも読んでも、陰謀に対する九郎右衛門の立場、疑懼(ぎく)、愁訴(しうそ)である...
森鴎外 「大塩平八郎」
...跡部が丁度この新(あらた)に生じた疑懼(ぎく)に悩まされてゐる所へ...
森鴎外 「大塩平八郎」
...思慮のある男には疑懼(ぎく)を懐(いだ)かしむる程の障礙物(しょうがいぶつ)が前途に横(よこた)わっていても...
森鴎外 「雁」
...この疑懼(ぎく)の犠牲になったようなものである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...渋江氏では疑懼(ぎく)の間に年を送った...
森鴎外 「渋江抽斎」
...僕の願にジユリエツトが応ぜないかも知れないと云ふ疑懼(ぎく)は...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...疑懼(ぎく)し、躊躇するところは絶対にない...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
...天分の疑懼はしばらくの間私の心を苦しめなくなる...
和辻哲郎 「生きること作ること」
...彼がこの不思議な外来人に対して疑懼や恐怖を感じなかったとも思えぬが...
和辻哲郎 「鎖国」
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