...大工さんが丁寧に作ったタンスを天頂真上に上げるため、一番太い綱で持ち上げた...
...それをも、お角さんは、煮えきらない返事だと思って、「お見受け申したところ、立派なお武家たちじゃありませんか、何はどうあろうとも、早くこのなきがらを取片づけて、人前に曝さないようにしてあげなけりゃ、恥ではありませんか」とお角さんが、事のあまりに無情なると、緩慢なるとに憤りを発して、こう言いますと、番太は、この女の人からお叱言を食う筋はないというような面(かお)をして、「へへえ――ところが、どうも、お相手がお相手でござんしてな、お奉行も、お代官も、お手がつけられやしまへんさかい」「なんにしても、いけませんね、こうして、一匹一人のおさむらいを、曝(さら)しものにかけて置くのは無慈悲というものなんです、なんとかしてあげられないものかねえ」「それがその、お相手がお相手でござんしてなあ」「相手が相手だって、お前さん、お上(かみ)のお手をお借り申せば、どうにかして上げられそうなものじゃないか」「それが、その――このお武家をお斬りなはったのは、壬生(みぶ)の新撰組の衆でござりましてなア」「え?」「壬生の新撰組の御浪人衆が、この通りお斬りになりはって、どうも、はや、手がつけられやしまへんさかい」「みぶのしんせんぐみですって?」「はい」「みぶのしんせんぐみとは、どういうお方か存じませんが、たとえお上役人だって、人を斬って斬りっぱなしという法はありませんねえ、お斬りなさるならお斬りなさるように、作法というものがあるんでございましょう」「それが、どだい、壬生の御浪人衆にかかっては、御城主でも、お奉行でも、どもなりませんさかい...
中里介山 「大菩薩峠」
...妙な悪戯(いたずら)をする人間もあったものじゃございませんか」番太の爺(おやじ)が出したのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――番太の爺さんに聞いて御覧なさい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...番太は今さら気がついたように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...番太の株を買ふわけにも行かず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見当りませんよ」番太の老爺(おやじ)はそう言います...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...番太の株でも買おうと思ったが――番太の株だって只じゃ買えねエ」こんなに腹を立てているくせに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...腹を立てる度に番太の株を狙ふのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後家附の番太の株(かぶ)でも搜すが宜い...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「お前に後家附の番太の株を搜してやるより...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...番太に毛の生えたようなケチな荒物屋だが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...エジャナイカの上に何でも此処を一揆が通るんだって?番太 そうだ! 植木村のほか三ヵ村の百姓共三...
三好十郎 「斬られの仙太」
...何でも家がもとは番太をしていたとかいうので...
柳田国男 「故郷七十年」
...番太の平助は気まずそうに...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...さもなきゃ番太の木戸へ縛りつけられてるわ...
山本周五郎 「柳橋物語」
...一番太鼓がドーンと入る...
吉川英治 「剣難女難」
...六尺棒をもってつきあいに出た番太郎(ばんたろう)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...自身番の番太郎に手伝わせて...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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