...番傘を道具に使つた...
泉鏡花 「遺稿」
...翳して居る雨の番傘をばさりと半分に切つて...
泉鏡花 「遺稿」
...番傘を敲(たた)かぬばかり糸七が反対に...
泉鏡花 「遺稿」
...番傘を道具に使った...
泉鏡花 「遺稿」
...宿の番傘を二つ借りて...
太宰治 「秋風記」
...メリンスの帯の後ろ姿を見せて番傘をさして通って行く...
田山花袋 「田舎教師」
...宿の番傘を借りて明神池(みょうじんいけ)見物に出掛けた...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...お大は何處かの番傘を翳(さ)して...
徳田秋聲 「絶望」
...傘はおめえに貸してやらあ」こう言って米友に番傘を差しつけられたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...番傘をゆき子の上へ差しかけてくれた...
林芙美子 「浮雲」
...番傘をさして出た...
火野葦平 「花と龍」
...丁度雨が降り出したので温泉宿千明(ちぎら)の番傘をさして町へ出掛け物聞橋の辺まで歩いて見た...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...両手で番傘の柄を握り...
宮本百合子 「雨と子供」
...番傘を真直さしては入れない程狭かった...
宮本百合子 「一太と母」
...面白半分私の留守に番傘を見せた...
山本笑月 「明治世相百話」
...熊野杉の密林がバシャバシャとわれらの番傘に雫(しずく)をそそぐ...
吉川英治 「随筆 新平家」
...ぼくより二ツ年下のきのと一しょに一本の番傘を斜めに持ちあい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...」さう言ふとK―君は飛び出して番傘を買つて來た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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