...何か用足しに出ました帰りに...
芥川龍之介 「邪宗門」
...一寸帰りに用足しをして行くところがございますから...
鈴木三重吉 「桑の実」
...わたくしは町へ用足しに出て帰る途中など...
高村光太郎 「山の秋」
...また、無類の入浴好きで、場合によつては日に二度も三度も、用足しの途中、行き当りばつたりに馴染(なじみ)のない銭湯に飛び込む癖さへある私だが、そして、その度毎に莫迦(ばか)叮嚀に洗ひ浄めねばやまぬ私にも拘(かかは)らず、何かの都合で、一日二日入れずにゐると、もう、あの浴後の全身がさつぱりと軽くなり、豊かにのびのびとしたありがたい感触を忘れて了つたかのやうになる...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...婆やは用足しに出掛けたばかりで取次ぎする者がないので自分に出て行かねばならないが...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...停車場まで用足しに行くところなんだよ...
田中貢太郎 「提燈」
...あの通り中々重宝な男で小まめに用足しをしてくれるから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...用足しをする便利屋(べんりや))の娘(むすめ)であり...
壺井栄 「二十四の瞳」
...たまに用足しに外に出されると...
徳田秋声 「足迹」
...半日でも用足しに出てゐると...
徳田秋聲 「水ぎわの家」
...宛も日常の用足しででもあるかのように...
豊島与志雄 「子を奪う」
...それ以来下町へ用足しに出た帰りには...
永井荷風 「深川の散歩」
...挟箱担(はさみばこかつ)ぎはどこへか用足しに行ってしまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...朝のうちに皆葉へ用足しに行く...
長塚節 「十日間」
...何か用足しをしているのだと思い...
久生十蘭 「魔都」
...一月二十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 封書)〕今日は寿江子さんが用足しに出かける処を急に取やめとなったので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その時私はこの橋を渡つて去年も今日と同じやうな用足しに出かけたのではなかつたらうか...
三好達治 「柘榴の花」
...用足しによっては...
山之口貘 「野宿」
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