...また、無類の入浴好きで、場合によつては日に二度も三度も、用足しの途中、行き当りばつたりに馴染(なじみ)のない銭湯に飛び込む癖さへある私だが、そして、その度毎に莫迦(ばか)叮嚀に洗ひ浄めねばやまぬ私にも拘(かかは)らず、何かの都合で、一日二日入れずにゐると、もう、あの浴後の全身がさつぱりと軽くなり、豊かにのびのびとしたありがたい感触を忘れて了つたかのやうになる...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...用足しに外に出かけると...
太宰治 「桜桃」
...婆やは用足しに出かけたばかりで取次ぎする者がないので己(じぶん)で出て往かなければならないが...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...用足しをする便利屋(べんりや))の娘(むすめ)であり...
壺井栄 「二十四の瞳」
...自分はお情に小用足しを使ってくれと頼んだのではない...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...たまに用足しに外に出されると...
徳田秋声 「足迹」
...宛も日常の用足しででもあるかのように...
豊島与志雄 「子を奪う」
...鳥渡用足しでもして帰つて来ると...
永井壮吉 「人妻」
...ちょっとそこまで用足しに行って来るから...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちょっと用足しに……」お角としては怪しいほど神妙に返事をしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちょっと用足しに出かけて参ろうとするところでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...外へ用足しに出る着替もなくなってしまってるじゃありませんか...
中里介山 「大菩薩峠」
...何か用足しをしているのだと思い...
久生十蘭 「魔都」
...一月二十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 封書)〕今日は寿江子さんが用足しに出かける処を急に取やめとなったので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お父様はどこかへ御用足しにお出かけになり...
夢野久作 「お菓子の大舞踏会」
...私は改札口に来て係りの女にちょっと用足しに出たいからと云ったら...
夢野久作 「暗黒公使」
...パリから來て見ると何といふ靜けさであらう! 用足しに霧の中を歩いてゐる別世界の人々の靜穩な生活状態! 濕氣と...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...だから使い走りでも個人の用足しでも...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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