...部屋の隅でただ一人半日も泣いていた記憶も甦(よみがえ)った...
有島武郎 「クララの出家」
...運動の消失したために陥ったこの新しい渾沌の中から甦生することも容易だろうと信じてもよくはないか...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...唆(そそ)るやうに耳の底に甦る...
石川啄木 「鳥影」
...わが身(み)は甦生(よみがへり)の日(ひ)まで忘(わすれ)られてゐる...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「癩病やみの話」
...そこには救世(ぐぜ)の御佛(みほとけ)、阿摩(あま)の如くよりそひて、おほ慈悲垂乳(たりち)のいく藥(ぐすり)に、咽(のど)の渇きをうるほし、ま玉なせる掌(てのひら)に、生身(なまみ)の肌(はだへ)をいたはりつつ血汐に染める深手を、癒えよと和(やは)らになだめ給ふそこしも不壞(ふゑ)の新世(あらたよ)、清きものは甦り、優女(やさめ)も法衣(ほふえ)のすがた花に、菩提樹かづらかざして、あな和魂(にぎたま)の片身やと、胸乳(むなぢ)のふくらみ(ひら)むまでに、眞白手しかと擁(いだ)きて、さこそは注がめ嬉しなみだ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...娘の永い言葉によってようやくごく微かに甦った智能...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...」斯くて『みみずのたはこと』が最初に灰の中から甦る事になりました...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...甦生(そせい)した自然の賛歌と回癒(かいゆ)した魂の感謝の歌とが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...アルテミス十三番が甦る……するとまたそれが一番だ...
中原中也 「ヂェラルド・ド・ネルヴァル」
...先刻(さっき)の微光は甦(よみがえ)りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...茫然とした人々の姿が睡れない頭に甦つて来る...
原民喜 「廃墟から」
...不思議な明瞭(めいりょう)さをもって彼の脳裡(のうり)に甦(よみがえ)ってきた...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...吾々の心に甦えらす事を厚く信じている...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...作物は甦るでしょう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...そう云った良人の言葉がはっきりあたまに甦(よみが)えってきた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...疲勞が恢復したとき又甦つて來る苦痛を思ふと彼はいつまでも今の状態にありたかつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...甦(よみが)えった歓びにはしゃいでいた...
吉川英治 「剣難女難」
...又々生々しく甦って来...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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