...ものうい東洋の香料の匂が――わしは艶(なまめ)いた女の匂がどんなものだか知らないのである――柔に生温い空気の中に漂つてゐる...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...西洋人に比し誠に生温い生活をして来た...
石原莞爾 「戦争史大観」
...失礼ながら予防命令というような生温い御処置で役所の方々は満足な解決ができるとお思いなのですか...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...暗闇の中でぐにゃりと生温いものを踏みつけたと思ったが...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...時々胸がむず痒(かゆ)いような生温いような感じを覚えたことがあるので...
谷崎潤一郎 「鍵」
...しかし人の涙となれば生温い...
外村繁 「夢幻泡影」
...生温い微風が流れてくる……...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...一條禪閤兼良が感じた下剋上はそんな生温いものではありませぬ...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...そんな生温いことを考へて居つたのではありませぬ...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...いったい何者だ!たとい生温いとはいえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...生温い糊のやうにねば/\と皮膚にまとひつく...
中島敦 「夾竹桃の家の女」
...ついうつかりと生温い空氣のむつとした煙草葉乾燥室へはいつた刹那...
南部修太郎 「日曜日から日曜日まで」
...親分」生温いところを一杯...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...四月の生温い雨は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...奇妙に生温い感じがした...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...常識的といってもよい程な生温い...
平林初之輔 「乱歩氏の諸作」
...気になんてしないだつて!」彼の態度が生温いのを悟つて...
牧野信一 「父を売る子」
...蒲団の起す生温い風やチリに顔をそむけた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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