...生れて三十年間、言わば私は、私というものを知ろうとして生きて来た...
梅崎春生 「桜島」
...しかし鯰は生れつきひどい臆病ものですから...
薄田泣菫 「雨の日に香を燻く」
...のらくら者の果てか百姓に生れて百姓仕事を嫌いな田舎者もしくは中途で今までの仕事に厭気がさし...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...私の生れた時から...
太宰治 「斜陽」
...「子供生れたら何処いなとやってしまういうて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...こゝから菩薩の遊びが生れる...
種田山頭火 「其中日記」
...いろいろ生れ更って見ても仏法を忘れてしまい...
中里介山 「法然行伝」
...その片眼は生れつきの赤んべんで...
夏目漱石 「坑夫」
...庶民の文学が生れます...
野村胡堂 「胡堂百話」
...印度で生れたのですもの...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...この娘は高市(たけち)郡の八木の方で生れて...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...越後の生れにて、あたかも妙齢十七の処女なるにも似ず、何故か髪を断(き)りて男の姿を学び、白金巾(しろかなきん)の兵児帯(へこおび)太く巻きつけて、一見(いっけん)田舎の百姓息子の如く扮装(いでた)ちたるが、重井を頼りて上京し、是非とも景山(かげやま)の弟子にならんとの願いなれば、書生として使いくれよとの重井の頼み辞(いな)みがたく、先ずその旨(むね)を承諾して、さて何故にかかる変性男子(へんしょうだんし)の真似をなすにやと詰(なじ)りたるに、貴女(あなた)は男の如き気性(きしょう)なりと聞く、さらばかくの如き姿にて行かざらんには、必ずお気に入るまじと確信し、ことさらに長き黒髪を切り捨て、男の着る着物に換(か)えたりという...
福田英子 「妾の半生涯」
...その流れの驚嘆すべき烈しさは種子をば生れた樹から四五碼もの向ふへはぢき飛すのである...
牧野信一 「卓上演説」
...卒業し現在に於ては根本的に全く健全な地盤の上に生れ変り得ていると自ら確信しても...
三好十郎 「俳優への手紙」
...母親もなしに生れてくる子なんかありゃしないだろう」「だろうね」と云って彼は顔をそむけた...
山本周五郎 「季節のない街」
...「知らないって――自分の生れた処(ところ)も...
山本周五郎 「花も刀も」
...生れかわった唯円房...
吉川英治 「親鸞」
...父頼房(よりふさ)の側室久子(ひさこ)を母として生れたが、生れ出る時から、父の家庭に、ひと方ならぬ煩(わずら)いを起したらしい...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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