...此の風穴が完成するのは少くとも三箇月はかかるのである...
梅崎春生 「桜島」
...同じ死ぬのならお前のドテッ腹へ風穴を穿(あ)けて...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...それなら風穴(ふうけつ)へ出る道(これは案内記で知つた)があるだらうと云ふと...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...多分火山岩の堆積の間に出来た自然の風穴を利用して...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...金藏へ風穴をあけたまでの話さ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...土手っ腹へ風穴をあけてやるんだ」半蔵は無人(むじん)の境を行くがごとく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...出逢ひ次第土手つ腹へ風穴をあけるんだつて――言つて居たさうで」「待つてくれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日本では富士山の十二の風穴がそうである...
久生十蘭 「地底獣国」
...忌々しさのあまり相手が誰だらうと出会ひ頭の野郎の横つ腹に風穴をぶちあけて呉れようと思ひながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...彼の見えない内心の風穴に目ばりがして貰(もら)えそうなのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...俺の心には大きな風穴があいてしまつた...
牧野信一 「蝉」
...横腹に風穴でもあいてゐるやうで少しも身に沁みた力の入らぬのを感じました...
牧野信一 「早春のひところ」
...風穴に吸ひ込まれるやうな心細い悪寒を覚えながら...
牧野信一 「バラルダ物語」
...今夜の観客の耳が風穴同様だったからだ」といって慰めたということです...
三浦環 「お蝶夫人」
...「ドテッ腹へ風穴をあける」なぞと大きな事を云い合いながら...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...杉木立が風穴をほって捻じまがっている...
横光利一 「夜の靴」
...ふんじばって風穴(かざあな)へほうりこんでしまえ」「へいッ」四...
吉川英治 「神州天馬侠」
...一種の風穴(かざあな)で...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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