...それなら風穴(ふうけつ)へ出る道(これは案内記で知つた)があるだらうと云ふと...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...金蔵へ風穴をあけたまでの話さ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...土手っ腹へ風穴をあけてやるんだ」半蔵は無人(むじん)の境を行くがごとく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...出逢ひ次第土手つ腹へ風穴をあけるんだつて――言つて居たさうで」「待つてくれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僕のなかにはまた風穴ができたやうだ...
原民喜 「鎮魂歌」
...体験に憧れてゐる少年の僕もそこから底なしの風穴が覗き込むやうな気がしたものだ...
原民喜 「火の子供」
...防空壕の掩蓋(えんがい)になっていた吉良(きら)の雑倉の小屋根に風穴があくと...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...彼の見えない内心の風穴に目ばりがして貰(もら)えそうなのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...風穴に吸ひ込まれて行くやうな不快な想ひに襲はれた...
牧野信一 「明るく・暗く」
...興醒めの風穴に吸ひ込まれて行つた...
牧野信一 「酒盗人」
...風穴に吸ひ込まれるやうな心細い悪寒を覚えながら...
牧野信一 「バラルダ物語」
...釣鐘型の横腹に拳骨大の風穴があいて無数の蜂が湧き立つてゐた...
牧野信一 「夜見の巻」
...今夜の観客の耳が風穴同様だったからだ」といって慰めたということです...
三浦環 「お蝶夫人」
...一箇所の風穴も無くて冬の最中の様になった部屋中を見廻して...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...ふんじばって風穴(かざあな)へほうりこんでしまえ」「へいッ」四...
吉川英治 「神州天馬侠」
...たえず暗澹(あんたん)と吹きめぐっている風穴(かざあな)のなかでは...
吉川英治 「神州天馬侠」
...風穴(かざあな)ができて見ろ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...一種の風穴(かざあな)で...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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