...猶冥々の間に自己を生かすものを觸知する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...老人を生かすことも殺すことも出来た訳なのです...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...ともかくも一つ一つの画面にその基調となるべき色彩的な中心映像を確定しそれを生かすためにその周囲の色彩を殺してしまうという...
寺田寅彦 「映画芸術」
...425 一切を生かす詩人の空想は此の双馬をして單に泣かしむるのみならず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...しかし墓の下からではどうして家族を生かすことができよう...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...人物を生かすこと...
豊島与志雄 「長篇小説私見」
...しかし、正法の呪法は、人を生かし、己をも生かす...
直木三十五 「南国太平記」
...患者を生かす殺すの力は自分にはないことが次第にはっきりわかってきた...
永井隆 「この子を残して」
...殺すの生かすのと一(ひ)と騒動をしたばかりでございます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不思議なところで自分を生かすものである...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...さる刹那の念を生かすか...
別所梅之助 「石を積む」
...すなわちそこの自然を生かす」という思想が根本となっておらなくてはならないと存じます...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...一九(いっく)の『安本丹』てふ戯作に幽霊を打ち殺すと死ぬ事がならぬから打ち生かすかも知れぬとある...
南方熊楠 「十二支考」
...殺す力としてより生かす力としてつかおうとした点にふれました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...是等の愛を生かすため...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...予の胸一つで張繍一族を亡ぼすも生かすも自由だということは...
吉川英治 「三国志」
...その生命を不朽に継ぎ生かすこそ遺(のこ)された家臣の道と彼はかたく思う...
吉川英治 「新書太閤記」
...それを巧妙に生かすのは日本画の伝統の著しい特徴であった...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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