...僕を殺すとも生かすとも...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...用刀の制約から必然的に木彫としての特質を生かすことになつてゐるのがおもしろいのである...
高村光太郎 「唐招提寺木彫如來形像」
...死せる史料を生かすとは自己の生活感情を史料に移入するの謂であるが...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...その困難を切り抜けるためには何かしら絶え間なく新しい可能性を捜し出してはそれをスクリーンの上に生かすくふうをしなければならない...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...斯かるモチーフを生かすために...
豊島与志雄 「小説集「聖女人像」後記」
...万人のものとするために生かすこと...
中井正一 「図書館法を地方の万人の手に」
...生かすの殺すの、あなた、水の出端(でばな)や主(ぬし)ある間の出来事とは違いまして、生かすの殺すの、そんな野暮なものじゃございません……」しかし竜之助は冷罨法(れいあんぽう)を施しつつ答えず...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし、幸い、別に問題は起らないと見えて、出て行ったきり、音も沙汰もありませんから、話というものは、すべて大仰なものだ、噂(うわさ)によると、あの旦那なるものは、生かすの、殺すのと、騒ぎ兼ねまじき話であったが、なんの、ことなく納まったところで見ると、すべて、女にのぼせる男というほどのものは、のろい者で、女が眼前へ現われて、泣いたり、あやまったりしようものなら、忽(たちま)ち軟化してしまう...
中里介山 「大菩薩峠」
...要するに持前を生かすといふ事が文章の本義だからだ...
南部修太郎 「氣質と文章」
...現実を生かす道も創作の中にありませう――と川端康成氏から戴いた手紙の中に書かれてあつた...
北條民雄 「孤独のことなど」
...觀念を一個の現實として――と云ふのは我々の人生さながらに――生かすところにあるのだ...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...愛する者は自己において自己を否定して對象において自己を生かすのである...
三木清 「人生論ノート」
...もとの通りに生かすことが出来るのか知らん」と鍛冶屋の爺さんは独言(ひとりごと)を云いました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...現実のありようを芸術の中に生かす作家...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼等の伝統を正しく受けつぎ生かすのも...
三好十郎 「俳優への手紙」
...T「父源兵衛を生かすも殺すも」と言って...
山中貞雄 「なりひら小僧」
...有象無象(うぞうむぞう)の大群衆を生かすか殺すか彼一人の頭にかかっている...
横光利一 「微笑」
...彼等を生かす機能も余地も持たなかった...
吉川英治 「平の将門」
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