...神の姿吾等の前に現前するに非ざるか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...豁然として神はその人の前に現前するのか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...この場合なお観音力の現前せるに外ならぬのである...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...彼等が三津の波打際に立つて波の彼方に想像してゐた活動競爭の舞臺が今日の前に現前してゐるのである...
高濱虚子 「俳諧師」
...箱根で夢みた晦冥の天地は消え失せて今はあかるい市街が目の前に現前したが...
高濱虚子 「俳諧師」
...現前の世界をわれらのもののように思っているけれども...
高浜虚子 「俳句への道」
...また現前してゐたときには...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...現前の綱領としては出さなかったのに...
服部之総 「志士と経済」
...この願、詳しく言えば、道心をおこし、これを成就させるためにもろもろの善行を修め、かくして至心をもって発願し、その修めるところの善行をもってわが浄土に往生しようとする衆生があるとき、その人の臨終にもし観音勢至らの大衆とともにその人の前に現われて来迎しないならば、――そこでこの願は臨終現前の願、現前導生の願、来迎引接の願ともなづけられる――われは正覚を聞かないであろうという、弥陀の誓いは、現実にかくのごとき人間の存在することを現わしている...
三木清 「親鸞」
...「心は知覚以外の何物をも自己に現前するものとして有せず...
三木清 「哲学入門」
...浮世三分五厘、本来無一物の洒々落々(しゃしゃらくらく)を到る処に脱胎(だったい)、現前しつつ、文字通りに行きなりバッタリの一生を終った絶学、無方の快道人であった...
夢野久作 「近世快人伝」
...咄嗟に彼は現前の橇の中の自分に立ち戻るのだった...
横光利一 「旅愁」
...現前の逸楽に世をあげて酔いしれている...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...記者はただ現前の『詩経』を孔子の編纂なりとする漢代の伝説に...
和辻哲郎 「孔子」
...最後に現前の遠征の意義にふれた...
和辻哲郎 「鎖国」
...がこのような現前の不安状態のみでなく...
和辻哲郎 「鎖国」
...参師問法するにも弁道工夫するにも現前せず」と考えるが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...理解ある人にとって切実なる現前の実在である...
和辻哲郎 「『劉生画集及芸術観』について」
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