...それに三角形の現わす奇異な感情は...
海野十三 「三角形の恐怖」
...手曳きをする時佐助は左の手を春琴の肩(かた)の高さに捧(ささ)げて掌を上に向けそれへ彼女の右の掌を受けるのであったが春琴には佐助というものが一つの掌に過ぎないようであったたまたま用をさせる時にもしぐさで示したり顔をしかめてみせたり謎(なぞ)をかけるようにひとりごとを洩(も)らしたりしてどうせよこうせよとはっきり意志を云い現わすことはなく...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...並びに武勇を現わす事さて法師丸は...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...こういう結果を論理学のモデルで現わすと...
戸坂潤 「思想としての文学」
...官吏はややもすると官僚的になるということを云い現わす言葉だと見ればいい...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...併し又それと同時にそれが力学的関係のみを云い現わす以上それは物理的空間を意味せねばならぬ...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...妙に執拗な熱中を現わすようになった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...遊星のロンドが姿を現わす...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...如何様(いかよう)の手並(てなみ)を彼が現わすかということが玄人(くろうと)仲間の研究物(けんきゅうもの)であったということと...
中里介山 「大菩薩峠」
...いちいちの色の変化を現わしたつもり――でなければ現わすつもりでかきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...他方では彼女の鷹揚(おうよう)さをやはり最高度に現わすものらしく見えた...
夏目漱石 「明暗」
...即ち親子の真面目(しんめんもく)を現わす所にして...
福沢諭吉 「女大学評論」
...制限性としてみずからを現わすに到る...
三木清 「危機における理論的意識」
...「有産階級と無産者の階級とは同一の人間的自己疎外を現わす...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...また小児の形を現わすというのが穀精の信念だ...
南方熊楠 「十二支考」
...いろどり形づくり説き現わすことを得たのは...
柳田国男 「雪国の春」
...ここに於て…………鼻の表現はその本心や性格の色彩を現わす...
夢野久作 「鼻の表現」
...そうしてこの了解を形に現わすに至ったのが...
和辻哲郎 「鎖国」
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