...果物屋は果実を珍重するだろう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...すべてこのようなものは少量を珍重するに限る...
石川欣一 「可愛い山」
...人間の正しさと善意とを主として珍重するものではない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...玉川のよりも却つて荒川のを珍重するツていふことだ...
田山録弥 「百日紅」
...その時代の輸出陶器は大抵支那製の模造にして意匠模様の如きも多年慣用せられたる最も形式的のものなりしが故に深く珍重する所とならざりき...
永井荷風 「江戸芸術論」
...余は独仏の好事家(こうずか)が写楽を珍重するは単に好奇の念のみにはあらず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...木にのぼる芸当を持っているということを学者は珍重する...
中里介山 「大菩薩峠」
...日本で鰻を珍重する理由がよくわかった...
中谷宇吉郎 「風土と伝統」
...しかし金を珍重する男ではなかった...
夏目漱石 「明暗」
...こんなものを珍重する人の気が知れないと云うような見えをした...
夏目漱石 「門」
...山桑が紫の実をつけてゐるのを先生が戯れにうどんげの実といふ名をつけて珍重する由など話されたのであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...そしてその色の濃い品を特に紅(ベニ)スジと称して珍重する...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...珍重するに足ると思う...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...第四十林檎(りんご)と米の雪と申すお菓子は西洋人の大層珍重するもので先ず林檎一斤の皮を剥(む)いて心(しん)を取って少しの水と大匙五杯の砂糖で軟く煮ます...
村井弦斎 「食道楽」
...すぐに大久保・長久保などと言って珍重する例が多いのである...
柳田國男 「地名の研究」
...単に稀有なる故に珍重するという以外...
柳田國男 「どら猫観察記」
...唯だ珍重するのは愛情だ...
與謝野寛 「南洋館」
...数十通の「安国寺文書」だけでこの寺の価値と由緒(ゆいしょ)とは珍重するに充分である...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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