...玉の緒は、決して人力を以(もっ)て断ち切ってはならないのである...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...相見るは玉の緒ばかり戀ふらくは富士の高峰の鳴澤(なるさは)のごとかつしかの眞間の入江に朝宵に來る潮ならば押して來ましを三小室が去つて蹄の音も聞えなくなつた時...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...絶えなんとせし玉の緒を...
巌谷小波 「こがね丸」
...すなはちその御頸珠(みくびたま)の玉の緒ももゆらに取りゆらかして一八...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...ここにその御髮を握(と)れば、御髮おのづから落ち、その御手を握(と)れば、玉の緒また絶え、その御衣(みけし)を握(と)れば、御衣すなはち破れつ...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...御手に纏(ま)かせる玉の緒もすなはち絶えぬ...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...次にスサノヲの命が天照らす大神の左の御髮に纏(ま)いておいでになつた大きな勾玉(まがたま)の澤山ついている玉の緒(お)をお請(う)けになつて...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...上(うえ)の枝に大きな勾玉(まがたま)の澤山の玉の緒を懸け...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...玉の緒(ひも)もお召物(めしもの)も...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...玉の緒ならで斷たん術もなし...
高山樗牛 「瀧口入道」
...それからたとえば踊りつつ月の坂道ややふけてはたと断えたる露の玉の緒とでもいったような場面などがいろいろあって...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...消えんとしたる彼女(かれ)が玉の緒を一たびつなぎ留め...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...今こそこの玉の緒は絶ゆる時なれ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...かくして玉の緒も絶え絶えに...
正岡容 「小説 圓朝」
...手に取るからに動(ゆら)ぐ玉の緒」...
南方熊楠 「十二支考」
...常珍らなるかかる夜は燿郷の十二宮眼くるめく月の宮瑠璃の階 八尋どの玉のわたどの踏みならし打ち連れ舞わん桂乙女うまし眉高く やさめの輝き長袖花をあざむけば天馳つかい喜び誦し山祇もみずとりだまもともに奏でん玉の緒琴 箏の笛妙なりや秋の夜心ゆく今の一とき久遠劫なる月の栄え讚えんに言の葉も得ずいずのみお我辺かこむ...
宮本百合子 「秋の夜」
...色変はる袖をば露の宿りにてわが身ぞさらに置き所なきはずるる糸は(侘(わ)び人の涙の玉の緒とぞなりぬる)とだけ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...己の玉の緒を絶たうと企ててゐるものがある...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
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