...猶路傍の木石に等しい...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...人目少き猶太廓(ゲツトオ)に濳み居たるは...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...』お柳は猶その話を詳しく訊いた上で...
石川啄木 「鳥影」
...予は猶(なお)母牛の注意を男共に示して置(おい)て寝てしまった夜明けて後男共は今暁(こんぎょう)の死犢(しとく)を食料にせんことを請求してきた...
伊藤左千夫 「牛舎の日記」
...受話器を掛けると一刻の猶予(ゆうよ)もなく土岐技手拘引の手続きにかかったが...
海野十三 「白蛇の死」
...猶更ハラハラさせられる...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...猶(な)ほ現(うつゝ)ならぬ空事(そらごと)とのみ思ひきや...
高山樗牛 「瀧口入道」
...若し飲もうと云い出して誰も金がないとなると猶更悲惨になるから...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...而も彼れの自由党に於けるは猶ほ星氏の自由党に於ける如く...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...猶々(なおなお)アトノコトヲ頼ミオッタカラ...
中里介山 「大菩薩峠」
...バラッス子爵はルイ・カペエ(ルイ十六世の卑称)の息子に身体を洗わせ、医師の診察を受けしめ、猶、居住を移し、衣服と寝台を与える請願を国会へ提出した...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...たゞ母だと多少猶予があるのだが...
牧野信一 「親孝行」
...即チ土ヲ穿テ出ヅルコト猶ホ狸首ガ隙ヲ鑽(ウガ)チ通透セザル無キガゴトシ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...併しそんなものは猶更(なおさら)むだであった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...これは一刻も猶予ならんと思って立上りかけた……が……又思い直して腰を落付けた...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...」そんなことを云つたので猶金六は京都へ行つてみたくなつた...
横光利一 「悲しめる顔」
...若(も)し齎(もたら)す物の猶(なほ)ありとならば...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...猶予(ゆうよ)を与えなどしては...
吉川英治 「夏虫行燈」
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