...猶暫くは歡樂の生活を捨て兼ねてゐた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...猶眞に人を愛する事が出來なかつたとすれば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...汝はかの猶太の翁の事を記(おぼ)えたりや...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...僻陬(へきすう)の村夫子(そんふうし)猶且(なほか)つ彼が名を記して幸福なる詩人と云ふ...
石川啄木 「閑天地」
...今猶(なほ)胸に刻まれて記憶に新たなるを覚ゆ...
石川啄木 「閑天地」
...猶(なお)抑えて居って鼻をかんでくれた...
伊藤左千夫 「守の家」
...「それなら猶(なお)のこと...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...一刻の猶予(ゆうよ)もならんのです...
太宰治 「女神」
...――貸(か)せば猶好(い)いが――夫(それ)より少し分(わか)らない所があるから...
夏目漱石 「それから」
...猶其外にも數へ盡すべからず)候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...霜といひ秋といひて「涼し」と結びたるは猶秋の意を離れねど「さ夜深き」の歌は秋とも霜ともいはで只「涼し」といひたるにて此語の稍夏に用ゐ初められたるを見るべし...
正岡子規 「すゞし」
...猶太人はこの女を亜鉛(とたん)に金めつきをした厭な人形の中に交ぜて置いたのである...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...荻生徂徠論を著すに至つても猶故(ことさ)らに『文章は事業なり...
山路愛山 「透谷全集を読む」
...かくて此失楽の中に猶蠕動(うごめ)く……大馬鹿者よ...
與謝野寛 「失楽」
...猶(なほ)此(この)派の踊(をどり)も奇抜だ相(さう)である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...猶いろいろの迷信的な行事(ぎやうじ)が附随してゐるらしい...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...もう猶予してはいられません...
吉川英治 「新書太閤記」
...「しばし、ご猶予を」と、五郎次は、主君と相手の者へ、そう会釈をして、静かに、彼方(かなた)へ退(さ)がって行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索