...それでも猶(なお)私を怖がっている...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...少焉(しばし)ありて猶太(ユダヤ)宗徒の宿老(おとな)の一行進み來て...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...兆候に依つて、或は理窟によつて、その事の當然あるべきを知り、且つあるを認めながら、猶且つ、それを苦痛若くは他の感じとして直接に驗しないうちは眞に信ずることの出來ない――寧ろ信じようとしない人間の悲しい横着は、たゞそれのみに止まらなかつた...
石川啄木 「第十八號室より」
...母は人々の話を聞いて愈々思案にくれたらしく猶一言も言ひ出さない...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...即ち予州は極めて僻在(へきざい)の地ながら俳句界の牛耳を取る証拠にしてこの事を聞く已来(いらい)猶更小生は『ほととぎす』を永続為致度念熾(さかん)に起り申候...
高浜虚子 「子規居士と余」
...アイギス持てるヂュウスの子!アカイア軍の亡ぶるを猶この際に救はずや?運命惡くつらくして只一人の猛勇の故に彼らは亡びんか...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...猶更甘えやすくするのだった...
豊島与志雄 「死の前後」
...一刻も猶予(ゆうよ)なく次のことをしなければならないと宣言した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...嗚呼于偲男子ガ蛍雪多年ノ業ニシテ猶斯クノ如キハ...
成島柳北 「他山の石」
...何故に被告人を執行猶予にすると書いてありましたか...
浜尾四郎 「死者の権利」
...後向きに成りて猶(なほ)も鼻緒に心を尽すと見せながら...
樋口一葉 「たけくらべ」
...信心ぶかい馭者の猶太人が土曜日ごとに安息日を守り...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...宛(あたか)も往時(わうじ)の猶太人(ユダヤじん)が病人をベテスダの池に送つたやうに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...しかも、私にあっては、よく仕事すればするほど、質のいい御飯がいるのですから、猶好都合です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...佳境十年猶在目...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...是に由つて観れば明治丁丑前後には荘が猶安藤の手にあつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...たいていの交通は春なかばまで猶予せられ...
柳田国男 「雪国の春」
...ひとりを二人して論ずる有様もなほをかし」これは今も猶俳句の季題には...
吉井勇 「雑魚寝」
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