...「青雲の志ある者の軽々しく口にすべき語にあらず」とは燕雀生の独り合点(がつてん)なり...
芥川龍之介 「念仁波念遠入礼帖」
...そうしてもっともらしい顔でそれぞれ独り合点して暮している世の俗人たちがうらやましい...
太宰治 「新釈諸国噺」
...しかし「胸黒(むなぐろ)じゃ」などと彼は独り合点をしているのである...
寺田寅彦 「鴫突き」
...然しそれは十内の独り合点だったかも知れない...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...こちらの独り合点で...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...よしよし」と課長は独り合点して大きくうなずいた...
平林初之輔 「犠牲者」
...この間話の間にも、独り合点で、而もはたから見れば、それこそ独り合点だのにと思う点をやはりそのままに持っていた...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これはどうも下(しも)の患いらしいと独り合点して...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...「あなたの気持ちを訊いてみてから決めるのが本当だが、どうも、あれが気が急くとみえて、独り合点で、親元のほうへも、もう手紙を出したとか言っていますが」と、師匠は言った...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...それもしばしば独り合点や...
山本周五郎 「青べか物語」
...なにか独り合点に思いつめて逆上したのであろう」「御推察どおりと存じます...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...自分がお粂の色香に迷ってこうなったものと思いこんでいる独り合点がある...
吉川英治 「江戸三国志」
...家兄(このかみ)だけの独り合点というものでさ...
吉川英治 「三国志」
...この柿の木が大きくなったのと――独り合点にたわ言を呟(つぶや)いている態(てい)...
吉川英治 「新書太閤記」
...悠々(ゆうゆう)お出ましのものとのみ独り合点しておりましたために」「は...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして独り合点を繰り返しているばかりの相手だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...平次郎は、独り合点に、「アア分った」と、胸のうちでつぶやいた...
吉川英治 「親鸞」
...どんな大変に遭遇したのか、わけも呑みこめないうちに、独り合点をして、またもと来たほうへ駈け戻った...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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