...餘計に物哀れなやうな氣がする...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...名前だけで想像して居た此の渡場は武藏野の尾花の末を流れる川の岸の淋しい物哀れな小驛であつたが...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...安永天明における物哀れにまで優しき風情は嘉永(かえい)文久(ぶんきゅう)における江戸の女には既に全く見ることを得ざるに至りぬ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...怠惰にして無責任なる愚民の疲労せる物哀れな忍従の生活がある...
永井荷風 「日和下駄」
...お豊はなんともいえぬほど物哀れに感じたのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...物哀れな悲鳴を揚げているのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...いかにも物哀れで...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして物哀れにさえ見えるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何くれと物哀れげに仰(おっし)ゃって「どうしていつまでもまあそんなお淋しいお住いをなすって入らっしゃるのでしょう...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...源氏は物哀れでならなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...源氏は物哀れな気持ちになって車を止めさせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...物哀れになった心持ちを源氏が昔の自分に書いて告げただけのことである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...源氏はそのお言葉から青春時代の恋愛三昧(ざんまい)を忍んで物哀れな気分になった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...空蝉の尼君も物哀れな様子で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...少しのことにも物哀れな気持ちが誘われて来賓席を夫人は見渡しているのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わが子は肩身狭くかくしてまでの宮仕えはせずともよかったはずであると夫人は物哀れな気持ちをまた得たのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...故太政大臣家の人たちは物哀れな気持ちになっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...大将もよくまいるのを蔭(かげ)で見るたびに昔が思われる物哀れな心になった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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