...外国人は、この国の人々が何をやるのにもゆっくりしているので、辛棒しきれなくなるが、彼等は如何にも気立てがよく、物優しいから、悪罵したり、疳癪を起して見せたりする気にはなれない...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...この物優しい先輩は...
海野十三 「深夜の市長」
...」などと漱石氏は物優しい低い声で話していた...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...それは豊雄(とよお)と云って物優しい生れであった...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...物優しい蒼い顔を想い出していた...
徳田秋声 「足迹」
...物優しい跫音(あしおと)が梯子段(はしごだん)に聞えた...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...「ピアノ協奏曲=イ短調(作品一六)」は物優しい良い曲だ...
野村胡堂 「楽聖物語」
...刻みの深い特色的な唇に物優しい微笑を湛え...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...打って変った物優しい調子で...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...女のやうに物優しい働き者で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...氣の弱い、物優しいお靜が、思ひ切つてかう言ふのですから、それは本當によく/\の思ひだつたのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どうせ物優しい男ではありませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...物優しい眼になって...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...舞姫のように物優しい眉山との三巴(みつどもえ)は...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...物優しい親切な老人で...
山本笑月 「明治世相百話」
...英語も此(この)様に物優しい国語かと思ふ程美しく品(ひん)の好(い)い発音をする人である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...在留の日本学生から「日本婆(ばあ)さん」と謂(い)はれて居る物優しい老夫人が自(みづか)ら出迎へて呉(く)れた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...田子の浦といふ物優しい名の聯想とは全く異つてゐるのを感じた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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