...三度松山に帰省した間の片々たる記憶である...
高浜虚子 「子規居士と余」
...叙するところは片々たる事柄である...
高浜虚子 「俳句への道」
...唯片々たる叙写のように見えていて...
高浜虚子 「俳句への道」
...私たちのいつも書いているような一個人の片々たる生活描写のほうが...
太宰治 「苦悩の年鑑」
...相手が片々たる雑誌記者だと侮ったのかも知れないが...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...数学的操作は数千年の片々たる業績の積堆の外ではない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...片々たる(尤もその数は無限かも知れぬが)歴史的材料では本質的なものを導き出すには足るまい...
戸坂潤 「思想としての文学」
...犬橇を駆って集めた片々たる資料は...
久生十蘭 「南極記」
...区々たる地位、片々たる財産、学理の前には何するものぞ...
穂積陳重 「法窓夜話」
...一木一草――ほんのかりそめのいと片々たる雑艸(ざっそう)までが立派に明日の糧(かて)となった...
正岡容 「小説 圓朝」
...片々たる小雜誌に...
正宗白鳥 「編集者今昔」
...寧ろ片々たる小篇に...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...片々たるものは本当にいやです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...此(かく)の如くにして集めた片々たる事実を...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...現存する繍帳は片々たる小断欠を接ぎあわせたわずか方三尺たらずの小裂ゆえ一見すぐさまこれをもって一丈六尺四方の原形を想像することは難いけれども...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...たとへば片々たる短篇のうちにも私はたゞよはせてみたいし...
吉川英治 「折々の記」
...片々たるおたがひの“いのち”の影である...
吉川英治 「折々の記」
...片々たる葉っぱのことではなく...
吉川英治 「随筆 新平家」
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