...片々たる新作品こそ却つて忽(たちま)ち時代遅れになります...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...心にもないこんな片々たる仕事をして...
相馬泰三 「六月」
...唯片々たる叙写のように見えていて...
高浜虚子 「俳句への道」
...相手が片々たる雑誌記者だと侮ったのかも知れないが...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...そうした片々たる小論で...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...犬橇を駆って集めた片々たる資料は...
久生十蘭 「南極記」
...区々たる地位、片々たる財産、学理の前には何するものぞ...
穂積陳重 「法窓夜話」
...何んな片々たるものでも妙にはつきりと憶えてゐるものだね...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...私の魂も夢も片々たる白い蝶々と化して...
牧野信一 「ゾイラス」
...寧ろ片々たる小篇に...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...此(かく)の如くにして集めた片々たる事実を...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...現存する繍帳は片々たる小断欠を接ぎあわせたわずか方三尺たらずの小裂ゆえ一見すぐさまこれをもって一丈六尺四方の原形を想像することは難いけれども...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...片々たる才子に移ったわけで...
柳田国男 「故郷七十年」
...たとへば片々たる短篇のうちにも私はたゞよはせてみたいし...
吉川英治 「折々の記」
...片々たるおたがひの“いのち”の影である...
吉川英治 「折々の記」
...靈山子の片々たる水墨畫がさう芋錢子のものに劣るとはいへないものがあると思ふ...
吉川英治 「折々の記」
...また片々たる落葉の脆(もろ)さに似てしまう...
吉川英治 「新書太閤記」
...瀬の渦に巻かるる落葉の片々たる浮沈(ふちん)のすがたのように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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