...口を利いて戻るがよい」「はい」「父御(ててご)の墓参りもするかの」「はい...
直木三十五 「南国太平記」
...お前に代わって父御の孝養してやるゆえ...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...橋場の叔父御の口も多いが...
牧野信一 「鬼涙村」
...「のう、わしが、事あたらしゅう、いうまでもないことじゃが――」と、老いたる師匠は、煙管(きせる)を捨てて、「悪党ばらの、甘言奸謀の牲(にえ)となった、松浦屋どのの、御不運のはじめが、密輸出入(ぬけに)の露見――それと見ると、あの人々は、これまで、おだて上げ、唆(そそ)り立てていたのとうら腹に、おのが身の、身じん幕をまたたく間につけ、父御(ててご)にのみ、罪を被(かぶ)せたばかりか、お取調べの間の御入牢中をいい機会(しお)に日ごろから、そなたの母御の容色に、目をつけていた、土部三斎――浪路どのの父御が、そなたの母御を屋敷に招いて、さまざまうまいことを並べた末、操(みさお)を任せなば、父御の罪科を、何ともいいこしらえて、のがれ得させようとの強面(こわもて)――そのときの、母御のおくるしみ、お歎きは、いかばかりであったろうぞ! 三斎の意をうけた同類が、どのように、母御をおびやかし、おどかしつづけたかも、思うてもあまりがある――とうとう、長崎一の縹緻(きりょう)よし、港随一の貞女とうたわれていた母御は、あたら、まだ成女(おんな)ざかりを、われとわが身を殺してしまわれたのじゃ――な、雪之丞、それを忘れはいたされまいな?」「は――い――」と、雪之丞は、とろけた鉛が、五臓六腑を、焼きただらせるばかりの苦しみを、じっと押し怺えながら、「おぼえておりまする――母親の、あのむごたらしい死にざまを、子供ごころに、ただ怖ろしゅうながめました晩のことは、ありありと胸にうかびまする」「そうであろ、いかに頑是(がんぜ)ないころであったにいたせ、生みの母御の、知死期(ちしご)の苦しみを、ひしと身にこたえなかったはずがない――かの三斎どのこそ、父御(ててご)を陥れたのみではなく、母御を手にかけたも同然のお人じゃ――」と、菊之丞は、きびしく言ったが、ふと太い息をして、「とは申すものの、あの浪路どのに、何の罪もないのは、わしとても、よう知っている...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...そなたの父御(ててご)も、戦(いくさ)でお果てなされたが、その父御は、そなたの不具を、自分のなした業(ごう)のむくいか、遠い武門の祖(おや)どもが、多くの人々を殺(あや)めたゆえの因果かと、よう仰っしゃっておいでだった……...
吉川英治 「私本太平記」
...わが叔父御にちがいありません...
吉川英治 「私本太平記」
...その父御があの和子に...
吉川英治 「私本太平記」
...この天蔵には今叔父御がいったような...
吉川英治 「新書太閤記」
...叔父御じゃござらぬか...
吉川英治 「新書太閤記」
...待っています」「叔父御が」「お探しして...
吉川英治 「新書太閤記」
...――叔父御に会いに参る...
吉川英治 「新書太閤記」
...「慶次郎ではないか、何をわめいておる」「ア、叔父御...
吉川英治 「新書太閤記」
...亮さんの兄上孔明と叔父御の孔賓(こうひん)を助け奪(と)る事のついでに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――あの稚子(ちご)ばかりは父御の末路を踏ましとうないと祈っていたが」範綱は...
吉川英治 「親鸞」
...意外とは思わない」「私たちは、ここにいても、叔父御たちの、召使も同様でした...
吉川英治 「平の将門」
...叔父御たちのお家に...
吉川英治 「平の将門」
...叔父御さま達が遺産を返してよこさなくても...
吉川英治 「平の将門」
...『叔父御、背を貸せ』と、周平は、太左衛門の背に足をかけて、直ぐ塀の内へ躍り込もうとした...
吉川英治 「夕顔の門」
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