...其れに一束の線香が燻つてゐた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...其處には髭を生やした、色の燻つた、齒の汚い、それに何を聞いても明確な答を與へぬ、さうして追求しても外の用事をしてゐて圖々しく知らぬ風を裝ふ人であつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...そんな山の中の田舎に一生燻つて暮す位なら...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...それを表面に出すことを嫌つてわるく燻つてゐる人が多いやうであるが...
田山録弥 「半日の閑話」
...何も彼(か)もが眞黒に燻つてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それはちやうどぶすぶすと燻つてゐる煙硝のやうなものを無理に蓋してゐるやうな工合だつた...
北條民雄 「道化芝居」
...」「何が……何だい?」一瞬間前の疳癪はジクジクと燻つた儘に圧し潰された私は...
牧野信一 「妄想患者」
...また往年の階級鬪爭の燻つてゐた時代には...
吉川英治 「折々の記」
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