...顔は忽ち燻(くす)んで...
石川啄木 「病院の窓」
...燻(いぶ)したりして...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...たまたま燻製屋台へ買いに来た金博士の若いお手伝いの鉛華(えんか)をルス嬢が勘のいいところで発見...
海野十三 「共軛回転弾」
...その代り博士のお望みは何なりと……それに特別精製のアメリカ名産バイソンの燻製を一口召上って下さいまし...
海野十三 「共軛回転弾」
...ルスとベラントという燻製料理の名人を二人も同時に喪(うしな)ったことは...
海野十三 「共軛回転弾」
...燻製ものでございますか...
海野十三 「時限爆弾奇譚」
...博士はナイフをひらめかしてぐさりと燻製肉の一片(きれ)を切り取り...
海野十三 「時限爆弾奇譚」
...神尾主膳の焼け跡ではまだ煙が燻(くすぶ)っている時分...
中里介山 「大菩薩峠」
...焚火の燃えさしだけが物わびしく燻(くすぶ)っているだけです...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼(かれ)は漸(やうや)く火鉢(ひばち)に麁朶(そだ)を燻(くべ)た...
長塚節 「土」
...さっき擦硝子(すりガラス)の蓋(かさ)を通して油煙に燻(くす)ぶった洋燈(ランプ)の灯(ひ)を眺めていた時とは全く変っていた...
夏目漱石 「道草」
...藤代が独乙語で演説をして大喝采(だいかっさい)を博しているのに漱石は倫敦(ロンドン)の片田舎(かたいなか)の下宿に燻(くすぶ)って...
夏目漱石 「『吾輩は猫である』中篇自序」
...薬として使う形は、水薬、なめ薬、噛み薬とうがい薬、嗅ぎ薬、吸入剤、膏薬、硬膏、湿布、注射薬、座薬、浣腸薬(エジプト人の発見)、燻蒸薬、であった...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...燒(や)く時(とき)に燻(いぶ)されなかつたからでありまして...
濱田青陵 「博物館」
...まだ燻しのかからないのも...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...焚火のもえ残りのように燻(くすぶ)りはじめた...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...彼は別れた女を燻べたやうに...
横光利一 「火の点いた煙草」
...萎黄(いおう)病のように燻(くす)んでしめった月が建物の肋骨(ろっこつ)にかかっていた...
吉行エイスケ 「女百貨店」
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