...そこの禅房の一室なりける我が書斎の茶煙や煙草の煙に燻(くすぶ)りたるも少なからじ...
石川啄木 「閑天地」
...このカンガルーの燻製を置いてまいります...
海野十三 「人造人間戦車の機密」
...この大使館の燻製(くんせい)の鮭(さけ)と火酒(ウォッカ)にも飽(あ)きてしまったわい...
海野十三 「大使館の始末機関」
...ホーテンスはこの土地の名産であるところの一種の鱒(ます)の燻製(くんせい)をたいへんに褒めて食べた...
海野十三 「地球発狂事件」
...金博士のところへお届けする燻製十箱は...
海野十三 「地軸作戦」
...「燻製十箱で、シベリアが常夏(とこなつ)の国になれば、電信柱も愕(おどろ)いて花を咲かせるだろう...
海野十三 「地軸作戦」
...このノクトミカ・レラティビアの燻製肉こそは、カナダの国境附近の産になる若鹿(わかしか)の肉にアマゾン河にいる或る毒虫(どくむし)の幼虫(ようちゅう)を煮込(にこ)み、その上にジーイー会社で極超短波(ごくちょうたんぱ)を浴(あび)せかけて、電気燻製とし、空前絶後(くうぜんぜつご)の味をつけたものであって、この調理法は学者アインシュタインの導(みちび)き出したものであった...
海野十三 「不沈軍艦の見本」
...黒々と燻(すす)けた...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...燻籠(ふせご)の匂ひのみ肅(しめ)やかなるぞ憐(あは)れなる...
高山樗牛 「瀧口入道」
...運送屋の軒に続いて燻(くすぶ)りきった旅籠屋(はたごや)が...
徳田秋声 「あらくれ」
...神尾主膳の焼け跡ではまだ煙が燻(くすぶ)っている時分...
中里介山 「大菩薩峠」
......
長塚節 「長塚節歌集 中」
...過去四年間の『錘』以來の詩にも屡その厭世的な陰鬱な心持の中から吾れ知らず迸つて來るのは何等燻(くす)んだ色のない都會を歌つた詩...
福士幸次郎 「太陽の子」
...燻っている蚊燻しの傍で七つになるもらい娘のお六が...
正岡容 「寄席」
...燻(た)きこめた香の匂いは...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...鮭の燻製をヘビの皮を剥ぐような思いで...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...それがだんだん彼をしてまだ二十八の人ともみえぬ燻(くす)みをその満面にただよわせていた...
吉川英治 「私本太平記」
...この燻(くす)んだようなバー・オパールの雰囲気とは凡そ正反対な...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??