...眞赤に熟した十九號(林檎の種類)の果が...
有島武郎 「秋」
...採り殘された實の熟したのが...
有島武郎 「秋」
...しかしその晩葉子はこの少年のような心を持って肉の熟した古藤に罪を犯させて見たくってたまらなくなった...
有島武郎 「或る女」
...熟した麥の香が、暗い夜路に漂うてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...成熟せる文明欧羅巴(ヨーロッパ)の文明は既に成熟した文明である...
大隈重信 「文明史の教訓」
...而(しか)して永い歴史を有する羅馬(ローマ)の爛熟した文明は...
大隈重信 「文明史の教訓」
...その紙をめくってみるとなかからは黄熟した肌の滑っこい...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...黄熟した藪梅の実だ...
薄田泣菫 「独楽園」
...成熟した靱(しな)やかな柔味だつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...「六の宮の姫君」が最も熟した果實として...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...やはり南国の太陽の下に成熟したらしい...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...それに顔といったらまるで熟したりんごのよう...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...来るべき歓びを期待して居る成熟した体の隅々に普く行き渡って居る柔和と謙譲と恥らいを見出すと子は殆ど痛ましい様な気持になって仕舞った...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...そんな風に自分の平生の活計と慣熟した境遇とを脱離したやうな感じが...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...最も快適な気分の時に書かれた最も成熟した小説である...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...黄熟した果肉の醗酵にアブや蜂が...
吉川英治 「折々の記」
...同時に刃交ぜの機が熟したか...
吉川英治 「剣難女難」
...この成熟した物理学者は...
和辻哲郎 「寺田さんに最後に逢った時」
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