...酒か酒的思想かに爛熟したと思はれる筋肉の骨ぶしのゆるみから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...唯熟したる麦の田は黄金海(おうごんかい)と連(つら)なりて...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...曾(かつ)て知っていたミチミとは別の成熟した若い女が...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...機が熟したら、必ず実行します...
種田山頭火 「鎖ペンを握って」
...編める籃ぬち熟したる果實を共に運び行く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...熟した柿をかじった...
豊島与志雄 「故郷」
...林檎(りんご)樹からは熟した果実が濡れ草の中に落ちていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...熟した麺麭の果(み)が沢山地上に落ち...
中島敦 「環礁」
...洗い立ての熟したトマトの皮のように張切った銅赤色の光である...
中島敦 「狼疾記」
...熟した桃の並べてあるのが眼に写った...
林芙美子 「帯広まで」
...熟した苺(いちご)のような赤い顔で...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...諸学問が成熟した後世の吟味に耐える諸原理を発見するには...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
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エドゥアール・エルネ・プリリュー Edouard Ernest Prillieu 竹本周平訳 「Rosellinia necatrix (R. Hart.) Berlese の子嚢殻の裂開性について」
...今日はいよ/\期が熟したのでサイパンを先頭にして数名の連中が金袋を携へて音無家を訪れたところが――...
牧野信一 「酒盗人」
...円熟しためんみつな技法によって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...五 発達の原因戦国から豊臣氏の頃にかけて数学発達の機運の熟したところへ支那の数学が伝わって...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...それからそれへ話が熟したころに至って...
吉川英治 「江戸三国志」
...ぷーんと芳熟した果実のよい匂いが感じられた...
吉川英治 「三国志」
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