...幼虫は自分自身の為めと成熟した昆虫との二つのものゝ為めに食つたのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...酒か酒的思想かに爛熟したと思はれる筋肉の骨ぶしのゆるみから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...豊熟した胸のふくらみを林檎に...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...豊熟した果実の枝を離れて地に墜つる状を描いて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...それが結実し、黄熟したのが、あの金柑の小坊主なのだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...成熟した赤い卵は出て来ないだろう...
豊島与志雄 「山上湖」
...熟した果物のような赤味と...
直木三十五 「南国太平記」
...熟したる梔子燃(もゆ)るが如く...
永井荷風 「十日の菊」
...熟した麺麭の果(み)が沢山地上に落ち...
中島敦 「環礁」
...熟した果実の色に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...円熟した後年の風が既に見えてゐる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...珠數玉を撒いたやうに熟した黒豆(ビルベリ)の實が...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...いよいよ期の熟した今朝となつてはあらゆる弁舌を弄して私に迫つた上...
牧野信一 「バラルダ物語」
...この感覚は老熟した精神の健康の徴表である...
三木清 「人生論ノート」
...Aristoteles, Ars rhetorica, A. 3.** Derselbe, politica, A. 2.資本主義社会の全体を明らかにし、それの根本的性格を示そうとした、マルクスの二つの大なる、成熟した著作が、ともに商品の分析をもって始められているのは偶然でない...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...まるで熟した苹果(りんご)のあかしのようにうつくしくかがやいて見えました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...ムネ・シユリイ以外に円熟した老優としては如何(いか)にも此(この)人を推さざるを得ないと感服した...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...老熟した人あつかいのうちに...
吉川英治 「平の将門」
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