...すべての料理人は乾いた熟したエンドウ豆やでんぷん質の種は硬水中で煮ても柔らかくできないことを知っている...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...採り殘された實の熟したのが...
有島武郎 「秋」
...土産(みやげ)はただはち切れさうに熟した葡萄の一と籠――この粒立(つぶだ)つた葡萄の實にお鳥の張り詰めた血の若々しさを偲びつつ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それが結実し、黄熟したのが、あの金柑の小坊主なのだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...十月五日機縁が熟した...
種田山頭火 「其中日記」
...玉黎蜀の熟した畑などが見えた...
田山録弥 「百日紅」
...といってもこれは熟した語ではない...
新渡戸稲造 「イエスキリストの友誼」
...十六といふにしてはよく成熟した...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...六――充分に円熟した肉体と知恵の持主らしく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...柿の実の赤々と熟した娘のころの思ひ出の中に...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...豐熟した穀物や燻(くす)んだ森...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...また熟したる露に酔いしれているようであった...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...成熟した他人の思想としてしか見えないのだ……「そういう考え方はそれはそれとして肯(うなず)けるようだけれど...
堀辰雄 「楡の家」
...累々と重さうな実が赤く熟した林檎畑と...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...よく真赤(まっか)に熟したのを買ってきてくれい...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...どうも思想が成熟したかとさえ思われる...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...モンテーニュはアルセストの円熟した姿である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その熟したおいしそうな果実は一つも失われずにその所有者に残されてあったという...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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