...きわめて熟練したもので...
伊藤左千夫 「去年」
...――朝明(あさけ)より夕をかけて熟睡(うまい)するその臈(ろう)たげさ労(つか)らしさ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...生殖腺が成熟すれば自然に男女相求め...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...○ 雪中の戯場(しばゐ)五穀豊熟(ごこくほうじゆく)して年(とし)の貢(みつぎ)も心易(こゝろやす)く捧(さゝ)げ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...類に三種あり近きを熟蝦夷(ニギエゾ)...
太宰治 「津軽」
...秋が來れば稻が熟つて...
田山録弥 「踏査」
...科学主義工業の観点に基いて「熟練工」の観念を批判するなどを含めて...
戸坂潤 「読書法」
...ここに冬籠りをして熟しきっている同宿の人たちのうちの一人でないことは勿論(もちろん)――先般来...
中里介山 「大菩薩峠」
...余は病(やまい)に因(よ)ってこの陳腐(ちんぷ)な幸福と爛熟(らんじゅく)な寛裕(くつろぎ)を得て...
夏目漱石 「思い出す事など」
...丁度いま黄いろく熟し出してゐた...
堀辰雄 「おもかげ」
...一同の物腰態度は稍円熟の境に達して...
牧野信一 「南風譜」
...それが熟すると開裂して細毛を伴った種子が飛散することを私も目撃したことが数度ある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...熟するとばらばらの四粒となって萼内からこぼれ落ちるのである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...熟し切ったあかい奴の鈴生りになっている景色が秋の風情なんだがなあ...
水上滝太郎 「果樹」
...ところが漸次にそれが一つの伝統となり様式に熟して...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...日本語では全く新らしい熟語である...
山浦貫一 「新憲法の解説」
...普通よりも寝坊である事を熟知している犯人は...
夢野久作 「二重心臓」
...熟議(じゅくぎ)しておいで遊ばすのではないか...
吉川英治 「新書太閤記」
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