...舊組織の傾覆の氣運が熟しなければ...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...熟して割れた柘榴(ざくろ)の色の光線を...
石川啄木 「鳥影」
...ナポレオンは一部をもって前線を救援せしめたがなお主力は参加せしめず戦機の熟するを待った...
石原莞爾 「戦争史大観」
...内に大勢熟睡しているとすると...
魯迅 井上紅梅訳 「「吶喊」原序」
...又夜になつて照ちやんのいぎたなく熟睡して...
高濱虚子 「續俳諧師」
...ずくしはけだし熟(じゅくし)であろう...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...夜は天満宮参詣をやめて旧友M君を訪ねる、涙ぐましいほど歓待してくれた、奥さんもお嬢さんも、おばあさんまで出てきて、私の与多話を聞いて下さつた、十時近く、帰宿して熟睡...
種田山頭火 「行乞記」
...……(九日)・うれしいことでもありさうな朝日がこゝまで・はたしてうれしいことがあつたよこうろぎよ・飛行機はるかに通りすぎるこほろぎ・つめたくあはただしくてふてふ・ひつそりとおだやかな味噌汁煮える・百舌鳥もこほろぎも今日の幸福・水をわたる誰にともなくさようなら・月の澄みやうは熟柿落ちようとして・酔ひざめの風のかなしく吹きぬける(改作)十月十日晴――曇...
種田山頭火 「其中日記」
...円熟した大作家にふさわしい手腕で鮮かに創造されている...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...外は黄熟(おうじゅく)した八月の暑熱が...
徳田秋声 「あらくれ」
...――之によって所謂熟練工の問題も原則的には解消するし...
戸坂潤 「読書法」
...熟し発達してゆく...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...正規の用兵に熟達し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...右も左も見渡すかぎり山の麓に至るまで稻は熟して秋晴の下に金波をたゞよはせてゐる...
永井荷風 「十年振」
...夢のない熟睡を持って...
林不忘 「あの顔」
...または第一版を熟読してそれがはっきりわかった人々にとっては...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...これは瓊州(けいしゅう)猿の雌を飼いしに成熟期に及び黒から灰茶色に変わった(『大英百科全書』十一)というから推すと...
南方熊楠 「十二支考」
...五万が出迎うるの謀議が熟していたのを...
山本実彦 「十五年」
便利!手書き漢字入力検索