...すると其の室(へや)の係で其処で煮物をしていた仲居...
田中貢太郎 「とんだ屋の客」
...彼女の言葉に何か煮えきらないところもあった...
徳田秋声 「仮装人物」
...鍋は沸々として煮立つと突き上げられて居た蓋が自ら鍋と平らにさがる...
長塚節 「佐渡が島」
...屋敷の中は煮えこぼれそうだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...丁度良い雜煮腹の腹ごなしですよ」「イヤに恩に着せるぢやないか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...煮こごったようにピクともうごかない...
久生十蘭 「だいこん」
...野菜を五キロ煮つめなければ出来んので...
三浦環 「お蝶夫人」
...別にメリケン粉大匙二杯とカレー粉中匙一杯とを茶碗の中で水を少しずつ加えながらツブツブの出来ないようによく溶いて今の鍋へ少しずつ掻き廻しながら注(つ)いで暫く煮てから牛乳五勺を混ぜて少し火の上に置いて炊きたての御飯へ掛けます...
村井弦斎 「食道楽」
...白水(しろみず)で湯煮(ゆで)る事もありますが章魚の形を崩さずに心まで柔く煮るのは大根で叩くのが一番です...
村井弦斎 「食道楽」
...火から卸(おろ)す一時間も前に塩で味をおつけなさいまし」とこの談話にも小山は再び異議を挟(さしはさ)めり「中川君鯛の頭は鮨屋で安く買っても一日煮通すのでは火が要(い)って溜(た)まらん...
村井弦斎 「食道楽」
...竹の子は一旦鍋へ豚の脂肉(あぶら)をジューと摺りつけたものでよく炒(い)りましてそこへ豚の湯煮た肉を少さく切って入れて少しお湯をさして味淋と酒と醤油で味をつけてよく煮ます...
村井弦斎 「食道楽」
...どじょうといえば本黒の丸煮...
矢田津世子 「茶粥の記」
...「煮えて来るまで...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...湯煮にしたのをさい箸で挟み出し...
山本笑月 「明治世相百話」
...矢代は今までぐらぐらと煮え返っていたような頭の中の動きが...
横光利一 「旅愁」
...……?」と、煮えきらず、ついには、「いやお待ちください」と眼をそらした...
吉川英治 「私本太平記」
...万民は釜(かま)の中で煮られている豆のようなものだった...
吉川英治 「私本太平記」
...煮しめも食べ終つて...
若松賤子 「黄金機会」
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