...古き物語のあとの古寺を訪うて三藏の頭にしみ/″\と殘つたものは彼の若き尼と鐡瓶の湯と餅の焦げる匂ひと...
高濱虚子 「俳諧師」
...こんなにも焼き焦げる程ひとすじなものとは...
太宰治 「女の決闘」
...と誰にともなく焼き焦げるほどの大きい怒りが...
太宰治 「皮膚と心」
...いや焦げるまで炊きあげた御飯はおいしいものである...
種田山頭火 「其中日記」
...物の焦げる匂いがツンと鼻をつきます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...青く焦げるような空にむかって舞上る小鳥の姿が頻りに描かれた...
原民喜 「遥かな旅」
...かすかな焦げる匂(にお)いで部屋をいっぱいにした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...胸も焦げるほどに欲しいお氷……」「ほほう」「……と申しますのは...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ヴァニラとカラメルの焦げるいい匂いがして...
久生十蘭 「だいこん」
...機械油の焦げる匂いと...
久生十蘭 「ノア」
...セマン人言う藪中に多き木蛭(きびる)が人の血を吮(すす)るを引き離し小舎(こや)外で焼くと虎血の焦げる臭いを知って必ず急ぎ来る...
南方熊楠 「十二支考」
...ますます赤く焦げる空に対して...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...フライ鍋へバターを溶し前の家鴨を入れて強火にて両面の少しく焦げるまでいため別にバター一杯にてメリケン粉一杯をいためスープ一合を加えて塩胡椒にて味を付けたるブラウンソースにて前の家鴨を一時間ほど弱火にて煮るなり...
村井弦斎 「食道楽」
...穀物の焦げる香ばしい匂いが...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...金串に刺した肉は、炉の火に焙られて、肉汁と脂(あぶら)とたれの、入混って焦げる、いかにも美味(うま)そうな匂いをふりまいていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...甲斐はまた火繩の焦げる匂いを感じ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...焦げる血のにおい...
吉川英治 「三国志」
...おたみが自分の背なかの焦げるまで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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