...革の焦げる臭気と共にもやもや水蒸気を昇らせていた...
芥川龍之介 「寒さ」
...御褥(おしとね)の白綾(しろあや)も焦げるかと思う御気色(みけしき)になりました...
芥川龍之介 「邪宗門」
...髪の毛の焦げるような臭と...
アルチバシェッフ M. Artzibaschew 森鴎外訳 「罪人」
...松並木の焦げるがごとき中途に来た...
泉鏡花 「瓜の涙」
...胸が焼き焦げるほどにそのみじめな女を恋した...
太宰治 「ア、秋」
...胸の焼け焦げる程うらやましく思った...
太宰治 「花吹雪」
...何か焦げるにほひの・こゝまではあるけたところで熱い温泉(ユ)がある(山口へ)・あかるくあつくあふれる湯にひたりおもひで(湯田入浴)・惜しみなくあふるゝよながるゝよ(途上即事)・街からついてきた蠅で打つ手は知つてゐるゆふべおもむろに蠅は殺された・打つ手を感じて蠅も私もおちつかない草が青うてどこかの豚が出て遊ぶ・よい湯あがりのはだかであるく雑草の風(追加)五月廿四日すばらしいお天気のつゞくことである...
種田山頭火 「其中日記」
...いや焦げるまで炊きあげた御飯はおいしいものである...
種田山頭火 「其中日記」
...物の焦げる匂いがツンと鼻をつきます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かすかな焦げる匂(にお)いで部屋をいっぱいにした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...ヴァニラとカラメルの焦げるいい匂いがして...
久生十蘭 「だいこん」
...かすかに焦げる匂いがするきりで...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...飯が焦げるよなんまいだぶなんまいだぶなんまいだぶ」いきなり次郎吉は爺臭い声をだして...
正岡容 「小説 圓朝」
...セマン人言う藪中に多き木蛭(きびる)が人の血を吮(すす)るを引き離し小舎(こや)外で焼くと虎血の焦げる臭いを知って必ず急ぎ来る...
南方熊楠 「十二支考」
...かすかに油の焦げる音が聞える...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...暗やみ飛脚玉蜀黍(とうもろこし)の焦げるにおい...
吉川英治 「江戸三国志」
...……焦げる、焦げる...
吉川英治 「新書太閤記」
...おたみが自分の背なかの焦げるまで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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