...革の焦げる臭気と共にもやもや水蒸気を昇らせていた...
芥川龍之介 「寒さ」
...古き物語のあとの古寺を訪うて三藏の頭にしみ/″\と殘つたものは彼の若き尼と鐡瓶の湯と餅の焦げる匂ひと...
高濱虚子 「俳諧師」
...胸が焼き焦げるほどにそのみじめな女を恋した...
太宰治 「ア、秋」
...こんなにも焼き焦げる程ひとすじなものとは...
太宰治 「女の決闘」
...と誰にともなく焼き焦げるほどの大きい怒りが...
太宰治 「皮膚と心」
...いや焦げるまで炊きあげた御飯はおいしいものである...
種田山頭火 「其中日記」
...この三者のうちで木材が一番熱を伝え悪(にく)いからたとえ内側は焦げるほど熱くなっても外までは熱が届かぬのである...
寺田寅彦 「歳時記新註」
...炭竈の前は眉毛も焦げるかと思ふ程熱い...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...其日は朝から焦げるように暑かった...
長塚節 「太十と其犬」
...額が焦げるやうに近い火です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物の焦げる匂いがツンと鼻をつきます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...佗しいものの臭い――それは毛糸か何かが煉炭(れんたん)で焦げるような臭いであった――を感じた...
原民喜 「冬日記」
...かすかな焦げる匂(にお)いで部屋をいっぱいにした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...機械油の焦げる匂いと...
久生十蘭 「ノア」
...まるでパンの焦げるような好い匂(にお)いがした...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...飯が焦げるよなんまいだぶなんまいだぶなんまいだぶ」いきなり次郎吉は爺臭い声をだして...
正岡容 「小説 圓朝」
...かすかに油の焦げる音が聞える...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その前に、しゃがみ込んでいた日吉は、大釜の飯の焦(こ)げつく匂いに、「あ、飯が焦げる...
吉川英治 「新書太閤記」
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