...自分の察しが至らぬ爲に不知不識其神經を無視することはあらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...それ以來C君の言論を無視することに決心して來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...すぐ無視することのできたそれらのものが……柿江は本当に恐ろしくなってきた...
有島武郎 「星座」
...なる程」国枝氏もこの二つの殺人事件の(人形と人間との)不思議な一致を無視する訳には行かぬ...
江戸川乱歩 「鬼」
...彼は彼女の命令を無視するだけの大胆さを持っている...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...生きている事実も無視することはできぬ...
田中英光 「さようなら」
...ただ把握的概念と構成的概念との区別を無視する時にのみ...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...とに角芸術作品とクリティシズムとの間の対立相剋の関係をば一般的に無視する結果になることは...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...鼠はただいっさいを無視するように手をひとつ振って...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...動もすれば法律規則を無視するの弊あり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...徹底して大衆の意欲を無視することが出来ず...
中井正一 「現代美学の危機と映画理論」
...宗教は道徳の立場を無視するものではない...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...「セーラーを呼べ!」船長は無視するわけには行かなかった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...然しまた後者が客觀的な存在の歴史を無視することによつて...
三木清 「歴史哲學」
...と無視するだろうか...
宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
...私の所へ置いておきましても先様の志を無視することになるでしょうから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かえって史家が最も無視する分野に属する...
柳宗悦 「工藝の道」
...先ずこの倫理は人間の意志を無視することの残虐を敢(あえ)てしている...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
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