...柔順に無表情に縁板の上にちょっと膝(ひざ)をついて挨拶した...
有島武郎 「或る女」
...監督はいつものとおり無表情に見える声で...
有島武郎 「親子」
...遠くから無表情に黙って眺めていた...
梅崎春生 「狂い凧」
...「弘さんの顔はまるでお面を被ぶったように無表情になっているのを見ると...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...湿(じ)め湿めと無表情に死んでゆくだけではないか...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...物質が無表情に自分の前に...
中井正一 「美学入門」
...「昨夜のことを訊き度いが」平次は無表情に問ひかけました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そんな、遠い、細かなことを、無表情に近い、窄(すぼ)んだ顔は憶(おぼ)えていてくれるのだろうか...
原民喜 「壊滅の序曲」
...彼も無表情に立っていた...
原民喜 「火の唇」
...空虚に無表情にではなく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...しかし言葉は無表情に)……言へん...
三好十郎 「妻恋行」
...無表情に岸壁に迫ってきて...
山川方夫 「一人ぼっちのプレゼント」
...まるで踏んつぶしたがんもどきだね」かつ子は無表情にかなえを見返し...
山本周五郎 「季節のない街」
...黙って、ふきげんに聞いていた田原は、廊下越しに庭のほうを眺めながら、無表情に云った...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...甲斐は無表情に、しかし相手の期待にほどよく応じながら、巧みに話題を変えて、綱宗の近況を訊いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そばにくっついてばかりいたから……」無表情にこう答えたまま...
山本周五郎 「柳橋物語」
...あっしは甲州路からはいって来たんですが、信玄の隠し湯からずっとこっちで、変な方角へ踏み込みましてね、どこへ向いてもこの通りの山、今日で十日も道に迷っているんですが……」と、腰をかがめて訊ねましたものの、相手に一向感応がなく、ぽかんとして、無表情に、いつまでそういう自分を見つめているのに間拍子を失って、「ヘヘヘヘ……」と意味もなく笑って見せました...
吉川英治 「江戸三国志」
...無表情に見える感情は...
吉川英治 「新書太閤記」
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