...無表情に立ち上った...
梅崎春生 「記憶」
...湿(じ)め湿めと無表情に死んでゆくだけではないか...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...底に無表情に横たわる水のない沼土までの遠さなぞに竦み上がる崖上から...
田中英光 「さようなら」
...そして又元の眠つたやうな無表情にかへつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...藤三は感情を隠して無表情に答えたが...
富田常雄 「刺青」
...――我国の女がまことに無表情に出来てゐることを知つてゐる者のその誰でもが今彼女の夫に対してしたことは...
中原中也 「蜻蛉」
...そんな、遠い、細かなことを、無表情に近い、窄(すぼ)んだ顔は憶(おぼ)えていてくれるのだろうか...
原民喜 「壊滅の序曲」
...赤の他人のように無表情にながめていたが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...あの人の顔はいつでも感情が興奮してくればくるほど無表情になるんです...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...空虚に無表情にではなく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...黙って無表情に脇のほうを見やっていたこと...
山本周五郎 「いさましい話」
...――なんて云うんです」と辰弥は無表情に続けた...
山本周五郎 「季節のない街」
...慶三は無表情に頷き...
山本周五郎 「季節のない街」
...彼の顔は無表情になって...
山本周五郎 「ひとでなし」
...甲斐は無表情に、しかし相手の期待にほどよく応じながら、巧みに話題を変えて、綱宗の近況を訊いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...甲斐は無表情に黙って坐っていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...立たれましたか」ほとんど無表情にちかい高氏のつぶやきだった...
吉川英治 「私本太平記」
...また無表情に茫然としている者と...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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