...」陳はほとんど無表情に...
芥川龍之介 「影」
...柔順に無表情に縁板の上にちょっと膝(ひざ)をついて挨拶した...
有島武郎 「或る女」
...「弘さんの顔はまるでお面を被ぶったように無表情になっているのを見ると...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...阿呆のような無表情にちがいない...
太宰治 「花燭」
...その事務的に、無表情に、まめ/\しく働いている女たち、部屋の至るところに並んでいる生首、低い屋根裏に燃える燈火、薫香(くんこう)の匂と血の匂との交った空気、―――すべてが昨夜の通りであった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...慇懃な態度にくるまった無表情に当面すると...
豊島与志雄 「乾杯」
...じっと無表情に自分を抑制してるかと思われるふしさえありました...
豊島与志雄 「土地に還る」
...――我国の女がまことに無表情に出来てゐることを知つてゐる者のその誰でもが今彼女の夫に対してしたことは...
中原中也 「蜻蛉」
...「昨夜のことを訊き度いが」平次は無表情に問ひかけました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...……)努めて無表情に読過そうとしたが...
原民喜 「秋日記」
...無表情に底知れず黙々として見える眼――それは彼のほうに向けられていたけれども...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...蒼白く無表情に索漠とした顔つきである...
宮本百合子 「刻々」
...無表情にあたりを片づけはじめている...
山川方夫 「その一年」
...無表情に岸壁に迫ってきて...
山川方夫 「一人ぼっちのプレゼント」
...慶三は無表情に頷き...
山本周五郎 「季節のない街」
...私はなにも知りません」隼人は無表情に役所のほうへ去った...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...また、甲斐はそれをどう感じているか、と思って見やったのであるが、甲斐も無表情に、おっとり坐っているだけで、どう感じているとも、うかがい知ることはできなかった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...弦之丞の無表情に見える内悶(ないもん)の苦しさであり...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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