...監督はいつものとおり無表情に見える声で...
有島武郎 「親子」
...年増の女中が職業的な無表情にすばやい観察を隠した顔で...
高見順 「いやな感じ」
...慇懃な態度にくるまった無表情に当面すると...
豊島与志雄 「乾杯」
...極めて無表情に突立って...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんな、遠い、細かなことを、無表情に近い、窄(すぼ)んだ顔は憶(おぼ)えていてくれるのだろうか...
原民喜 「壊滅の序曲」
...あの人の顔はいつでも感情が興奮してくればくるほど無表情になるんです...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...無表情に底知れず黙々として見える眼――それは彼のほうに向けられていたけれども...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...無口に無表情になっている...
三好十郎 「その人を知らず」
...トラックのわきに動かず無表情に立って...
三好十郎 「その人を知らず」
...おまえあたしに隠れて悪いことをしたんじゃあないかい」少女は無表情に黙っていた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...――なんて云うんです」と辰弥は無表情に続けた...
山本周五郎 「季節のない街」
...私はなにも知りません」隼人は無表情に役所のほうへ去った...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...年は二十四五歳で、眼鼻だちのきりっとした顔が、寒さのためであろうか、仮面のように硬ばって白く、無表情にみえた...
山本周五郎 「橋の下」
...彼の顔は無表情になって...
山本周五郎 「ひとでなし」
...あっしは甲州路からはいって来たんですが、信玄の隠し湯からずっとこっちで、変な方角へ踏み込みましてね、どこへ向いてもこの通りの山、今日で十日も道に迷っているんですが……」と、腰をかがめて訊ねましたものの、相手に一向感応がなく、ぽかんとして、無表情に、いつまでそういう自分を見つめているのに間拍子を失って、「ヘヘヘヘ……」と意味もなく笑って見せました...
吉川英治 「江戸三国志」
...無表情に似た表情のうちにつつんでいる人が...
吉川英治 「親鸞」
...無表情にみえる姿...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...弦之丞の無表情に見える内悶(ないもん)の苦しさであり...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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