...ソクラテス、プラトン、ヨハネ、ポーロ、――此等(これら)は皆真理の開拓者であり、進歩の使徒であり、極度に無慾純潔、少しも驕慢、自負、自家宣伝等の臭味がなかった...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...西行法師の洒脱にも似たる贅沢無慾の釣師かなと感じき...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...夫の理学士は、多年西洋に留学して、身は顕職にありながら純然たる学者肌で、無慾、恬淡(てんたん)、衣食ともに一向気にしない、無趣味と云うよりも無造作な、腹が空けば食べるので、寒ければ着るのであるから、ただその分量の多からんことを欲するのみ...
泉鏡花 「婦系図」
...そして渠が飽くだけのことを仕飽きた報いの無慾を...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...無慾枯淡な生涯を送ったものだった...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...それは何かつて言へば、無慾といふ事だ...
太宰治 「お伽草紙」
...無慾だの何だのと悟り顔なんかしてゐても...
太宰治 「お伽草紙」
...大慾は無慾にさも似たり...
太宰治 「花吹雪」
...すきとおるほど無慾な...
太宰治 「パンドラの匣」
...無慾――従つて多くは虚無的傾向を持つてゐる...
田山録弥 「閑談」
...八五郎は独身で呑気者で、無慾で、純情家で、そして天成のユーモリストだ、それが銭形平次の物語のスムースな展開を助けてくれたことを、作者の私が一番よく知っている...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...一番無慾な顏をする奴は一番大慾で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大慾は無慾に似たりの失敗であつたから...
長谷川時雨 「煎藥」
...作は無慾である...
柳宗悦 「雑器の美」
...女が無慾にて何ものをも盗み来ざりしが故に...
柳田国男 「遠野物語」
...人は案外無慾(むよく)で...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...無慾篤実の人でなければ出来る事でない...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...無慾になれましてよ...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??