...他の男に対して無慾に見えるものはない...
有島武郎 「星座」
...西行法師の洒脱にも似たる贅沢無慾の釣師かなと感じき...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...夫の理学士は、多年西洋に留学して、身は顕職にありながら純然たる学者肌で、無慾、恬淡(てんたん)、衣食ともに一向気にしない、無趣味と云うよりも無造作な、腹が空けば食べるので、寒ければ着るのであるから、ただその分量の多からんことを欲するのみ...
泉鏡花 「婦系図」
...人間様の仰しやる事が兎角御都合主義だから無慾な犬畜生の言草(いひぐさ)が却て道理に合(かな)つてる...
内田魯庵 「犬物語」
...無慾だの何だのと悟り顔なんかしてゐても...
太宰治 「お伽草紙」
...この世の中で、その発言に権威を持つためには、まず、つつましい一般市井人(しせいじん)の家を営み、その日常生活の形式に於いて、無慾...
太宰治 「春の盗賊」
...マア坊みたいな無慾な...
太宰治 「パンドラの匣」
...一番無慾な顏をする奴は一番大慾で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大慾は無慾に似たりの失敗であつたから...
長谷川時雨 「煎藥」
...無邪気と無慾と無垢と元気との...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...或いは主人公の無慾無邪気の反映とも...
柳田国男 「海上の道」
...女が無慾にて何ものをも盗み来ざりしが故に...
柳田国男 「遠野物語」
...人は案外無慾(むよく)で...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...無慾篤実の人でなければ出来る事でない...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...翁の清廉無慾と翁の堂々たる芸風とは今も尚流内の人口に膾炙(かいしゃ)している...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...無慾の証明を得ることは...
横光利一 「欧洲紀行」
...またこれほど無慾なこともない...
横光利一 「欧洲紀行」
...何より自分が無慾になったことだと思っていたので...
横光利一 「旅愁」
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