...あれは黴毒(かさ)で兩眼が潰れたのだと例の男が話した...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...三四人の者が口口に何か叫びながら潰れた家の取付きの所で騒いでいた...
田中貢太郎 「変災序記」
...それに右眼が潰れそうになったとかいう話をきいたがさぞつらかろう...
辻潤 「だだをこねる」
...あの色の白い娘は葉書をかぞえながら潰れたのかもしれない...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...電力危機がきて小工業が潰れる...
中谷宇吉郎 「亡び行く国土」
...すっかり潰れて正体もないのを尻目に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...つまり酔ひ潰れた哥薩克はゆきあたりばつたりにところきらはず身を横たへて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...丸で足下の大地が潰れ...
北條民雄 「道化芝居」
...大鯨を獲り逃して残恨の胸を叩きながら酒場に酔ひ潰れても...
牧野信一 「熱海線私語」
...力一杯叩きつけられたものゝやうにグツシヤリと潰れてゐるのがあつた...
牧野信一 「蔭ひなた」
...酔ひ潰れて鶴井達の小屋に泊つてしまつた...
牧野信一 「心象風景」
...耳も潰れるばかりです...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...するとぴたっと鳥の群は通らなくなりそれと同時にぴしゃぁんといふ潰れたやうな音が川下の方で起ってそれからしばらくしいんとしました...
宮沢賢治 「〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕」
...くつしやりと潰れたやうに睡つてでもゐるらしかつた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...ほかほか温かくていまにも潰れさうである...
室生犀星 「はるあはれ」
...むろん吉田屋のその座敷で潰れたものと思っていたが...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...丸潰れの型なしだ...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...忽(たちま)ち工場は丸潰れだ...
横光利一 「上海」
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