...夫婦関係が無意義であると言いながら家庭の事情を緩和すべき或る努力をし...
石川啄木 「性急な思想」
...俗人原(そくじんばら)がわけも分らず喜ぶ無意義の形式を以つて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...もし愛他主義という言葉が諸君にとって無意義なものでないならば...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...要するに此の意味にての国民性を言ふは殆(ほとん)ど無意義なり...
綱島梁川 「国民性と文学」
...こういう自然の中に生まれた国民のまねを日本人がしようとするのはほんとうに無意義なことである...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...しかし厳密な意味の完全が不可能事である事を痛切にリアライズし得た不幸なる学者は相対的完全以上の完全を期図する事の不可能で無意義な事を知っていると同時に...
寺田寅彦 「相対性原理側面観」
...その上に西欧文化の強き影響を受けた現代日本人がそのままに模倣するのは無意義である...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...理性を完全に保ちながら無意義を欲するのは...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...わたしの意見では無意義です...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...此の点よりいへば伯は無意義の辞職を申出でて...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...多くの力や青春や名誉や信念や犠牲の熱望――無意義な職業...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...然し神主(かんぬし)が拍手(かしはで)を打つて祖先の祭典に捧げる御酒徳利(おみきどくり)は自分の眼にはもう全く無意義となつた………...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...物の本体を証得しないものには形も声も無意義である...
夏目漱石 「虞美人草」
...屡(しばしば)繰(く)り返(かへ)した無意義な疑義を...
夏目漱石 「それから」
...死の暗黒と生の無意義について私に語つた...
萩原朔太郎 「宿命」
...私が附き添はふと願ふのは無意義な私人――人間の利己的な觀念を持つた一介の人間ではないのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...あまりに無意義――という関羽の意見に...
吉川英治 「三国志」
...もとより体験の告白を地盤としない製作は無意義であるが...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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