...無經驗、無思慮の女は、一般の俗習家等の空想界に求める理想と同樣、頼むに足らない死人同樣の戀を追うて失敗する...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その無思慮な軽率なヤリ口に感服しなくてもまるきり革命が起るのを洞観しないじゃなかった...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...無思慮な少年時代をとおり越した...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...或は無思慮にも新聞記者などの問に答へて豫言の安賣りをすると云ふ事は...
橘樸 「支那を識るの途」
...また唯物論の無思慮な適用であるからだ...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...かへつて無思慮に判斷する或る習慣から私が受取つた他の多くのものがある...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...しかもこれは無思慮とか軽率とかによるのではなく...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...激(げき)しきった二人の無思慮な口から...
徳田秋声 「あらくれ」
...けれど庸三は無思慮にもすっかり正面を切ってしまった...
徳田秋声 「仮装人物」
...つい無思慮な二人の間の因縁の結ばれた郊外の質素なホテルで...
徳田秋声 「仮装人物」
...ご主人様の危険に際して飼い犬が見せる無思慮な行動の早さである...
H・ビーム・パイパー H. Beam Piper The Creative CAT 訳 「最愛の君」
...それは無思慮の甚しきものといふべきであらう...
波多野精一 「時と永遠」
...彼の感情は無思慮に高められ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...その感情のせんさいな無思慮な対象へむかって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...少年から青年期の無思慮な思い出にたいしてさえも微笑むのだけれども...
宮本百合子 「現代の主題」
...また無思慮な若者どもが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...綱吉の死に続く、吉保の失脚によって、かねて甲府城に武備を貯(たくわ)えていた、無思慮な一味が、万一にも事を起こすようなことが、あってはならない、「暴挙の企図はわかっているぞ」という意味を、行動で示すためであった...
山本周五郎 「山彦乙女」
...またオランダ人の策動を有効ならしめるようなスペイン宣教師の無思慮な行動をも訴えている...
和辻哲郎 「鎖国」
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