...もし誤って無思慮にも自分の埓(らち)を越えて...
有島武郎 「広津氏に答う」
...無經驗、無思慮の女は、一般の俗習家等の空想界に求める理想と同樣、頼むに足らない死人同樣の戀を追うて失敗する...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その無思慮な軽率なヤリ口に感服しなくてもまるきり革命が起るのを洞観しないじゃなかった...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...しかもこれは無思慮とか輕率とかによるのではなく...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...』157 愚と無思慮と惡意とは人をして殘虐を行はしむ――或るイーリアス評論家の言...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...激(げき)しきった二人の無思慮な口から...
徳田秋声 「あらくれ」
...つい無思慮な二人の間の因縁の結ばれた郊外の質素なホテルで...
徳田秋声 「仮装人物」
...放埒なまでに無思慮な原稿を見て...
戸坂潤 「読書法」
...自我の「具体化」というものを無思慮にも抽象的に敢行する場合に生じる...
戸坂潤 「日本の民衆と「日本的なるもの」」
...彼には何とも言えない無思慮の愉快感が感じられた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...今日では(将来はいざ知らず)なお男子の特長(もちろん男子にも無思慮(むしりょ)の者多きはいうまでもなけれど...
新渡戸稲造 「自警録」
...一方の場合における彼らの無思慮な大食と...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...少年から青年期の無思慮な思い出にたいしてさえも微笑むのだけれども...
宮本百合子 「現代の主題」
...綱吉の死に続く、吉保の失脚によって、かねて甲府城に武備を貯(たくわ)えていた、無思慮な一味が、万一にも事を起こすようなことが、あってはならない、「暴挙の企図はわかっているぞ」という意味を、行動で示すためであった...
山本周五郎 「山彦乙女」
...論者は「母性を失う」というような言葉を無思慮に用いられるようですけれども...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
...こういったのは無思慮な血気や...
吉川英治 「私本太平記」
...だからスペイン宣教師の無思慮な行動は実に危険である...
和辻哲郎 「鎖国」
...またオランダ人の策動を有効ならしめるようなスペイン宣教師の無思慮な行動をも訴えている...
和辻哲郎 「鎖国」
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