...十七日、甲子、晴、宋人和卿唐船を造り畢んぬ、今日数百輩の疋夫を諸御家人より召し、彼船を由比浦に浮べんと擬す、即ち御出有り、右京兆監臨し給ふ、信濃守行光今日の行事たり、和卿の訓説に随ひ、諸人筋力を尽して之を曳くこと、午剋より申の斜に至る、然れども、此所の為体は、唐船出入す可きの海浦に非ざるの間、浮べ出すこと能はず、仍つて還御、彼船は徒に砂頭に朽ち損ずと云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...為体(えてい)が分らないでえら困りやした」「塩町の湯屋は親類ですか」「親類ぢやありやしねえが...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...」それならこの為体(ていたらく)は一体どうしたのかとでも言いたそうに...
徳田秋声 「仮装人物」
...何か為体(えたい)の知れない悪臭で...
徳田秋声 「チビの魂」
...戻って来たってえ為体(ていたらく)さ! そら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...まだ生煮えのものがあるという為体(ていたらく)であった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...もう顔にはそれが小指の半分くらいしか残っていないという為体(ていたらく)であった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...頓と見当もつかない為体(ていたらく)であった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...左の車輪が右の車輪より高く持ちあがるといった為体(ていたらく)であった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...あいた口がふさがらない為体(ていたらく)であった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...一様に開いた口を塞ぐことも出来ない為体(ていたらく)であつた――一同の面前には村長の義妹が立つてゐたのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...糸だけ残っているという為体(ていたらく)であった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...一体どこへ行ったのやら皆目わからない為体(ていたらく)であったからである...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...そのあと何が何だか為体(えたい)のわからないことを歌い出すと...
正岡容 「寄席行燈」
...屋台店の蟹(かに)と跋扈(ふみはだ)かッていた為体(ていたらく)といい...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...プラーゲに順次征服されている為体は日本人の恥曝しだ...
山下博章 「「プラーゲ旋風」の話」
...「誰やら為体(えたい)が分りませぬ...
吉川英治 「三国志」
...どんな穢(けが)れに触れたやら為体(えたい)も知れん...
吉川英治 「平の将門」
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