...点々と優しくこぼれている嫁菜の花へ眼をやった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...対岸のともしびが黄いろく点々と数えられる...
芥川龍之介 「老年」
...かすりのように点々として黒いものが見えるのは...
江戸川乱歩 「影男」
...模糊(もこ)たる夕靄(ゆうもや)の中に点々と眼に入りました...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...広い田の中に黒緑の四角なものが点々としてゐて面白い異風景をなしてゐる...
田畑修一郎 「出雲鉄と安来節」
...夜の中に点々とともって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...白熊や海豹の足跡が点々と見られたが...
豊島与志雄 「北極のアムンセン」
......
長沢佑 「レポーター」
...はじめ日本列島は小さな点々として映る...
原民喜 「壊滅の序曲」
...無数の漁船が日光を享楽している水鳥の群のように点々と浮んでいる...
平林初之輔 「犠牲者」
...白い砂のうえに黒い点々になって行く男たちの一行を...
本庄陸男 「石狩川」
...その昔偉い代官が住んだまゝと伝へられる薄暗い母屋をとりまいて点々と散在してゐるのだ...
牧野信一 「ピエル・フオン訪問記」
...岬は、ところどころを靄にさへぎられて、島のやうに、点々と見えた...
牧野信一 「岬の春霞」
...あちこちに咲いてゐる桃の花が点々たる煙りのやうであつた...
牧野信一 「武者窓日記」
...防風林に囲まれた農家の集落が点々と眺められる...
山本周五郎 「風流太平記」
...其処らの岩肌には点々と汚点が飛んでい...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...此に於て竹葉上に点々(てん/\)滴(したた)れる所の露(つゐ)を甞(な)め...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
...その間に点々として存する白い剥落面とは...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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