...点々と黄や藍を綴つて居ります外は...
芥川龍之介 「地獄変」
...点々と白くこびりついているのが見える...
芥川龍之介 「羅生門」
...点々と真紅の花を散らしたように血をしたゝらせながら...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...子供や大人の麦稈帽が点々と散らばっていた...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...点々として、到るところに、花といえば花が咲いていることは間違いはないが、その花のまた何という毒々しい色、ドス黒くて、いやに底光りのする、血といえばいえるが、しかも人間の温かい血という感じさえない、魚類の冷たい悪血(あくち)――そうして葉の捲き方から節根(ふしね)までがいちいちひねくれている...
中里介山 「大菩薩峠」
...栂の梢わずかに点々...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...点々と煙草の焼け跡があつた...
林芙美子 「浮雲」
...点々と上って来る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...紅絵具(べにえのぐ)のような美しい血が点々と滴り落ちる...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...点々とある家に、ランプがともる...
火野葦平 「花と龍」
...やがてその弾痕は点々とつらなつて...
宮原晃一郎 「風変りな決闘」
...点々と大洋に散らばる島々を伝わって沖縄に入ったものと思います...
柳宗悦 「民藝四十年」
...その血痕は点々と尾を曳いていた……先に行った二人が気付かなかったのは吹きつける雪に埋れていたからで...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...懐紙は、点々、紅梅をちらしたように染まっていたが、なお鮮(あき)らかに乾かぬ墨の痕(あと)が読まれた...
吉川英治 「新書太閤記」
...渓流――点々たる部落の羊や牛の影までが見る見るあとへ過(よ)ぎられて行く...
吉川英治 「新・水滸伝」
...もみ散らされる梅の点々が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...点々たる返り血の痕(あと)――...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...私の頭の上には咲きほころびた梅の花が点々と輝いている...
和辻哲郎 「「自然」を深めよ」
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