...手炙(てあぶ)りを投げつけた事さへあつた...
芥川龍之介 「庭」
...自分は茲に繰返して人口に膾炙せるトルストイの手紙の一節を引用する――「我等は相互に求め合ひて行く可きではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...義家の詠歌最も人口に膾炙す...
大町桂月 「白河の關」
...もっともよく蕪村に親炙(しんしゃ)した点においては几董に似ていますが...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...金銀の大皿に盛った犢(こうし)の炙(あぶ)り肉や...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...最も人口に膾炙(かいしゃ)している...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...人口に膾炙(くわいしや)してゐる...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...お絹は手炙(てあぶ)りに煙草火をいけて...
徳田秋声 「挿話」
...鯛煎餅(たいせんべい)の炙(あぶ)ったのなどがならべられた...
徳田秋声 「爛」
...後世永く人口に膾炙する人物である...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...更めて親炙すること唯一つである...
中原中也 「撫でられた象」
...何が無くとも冷飯に炙(あぶ)り魚(さかな)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...また従来から久しく人口に膾炙(かいしゃ)し来(きた)って口に慣れているので...
牧野富太郎 「植物記」
...論より証拠炙かれた局部が化石して現存すれば誰が何と言っても有馬村のが真の御陵だ...
南方熊楠 「十二支考」
...ここにある鯛(たい)の煮たのも大層美味しゅうございますがこれは何というお料理です」お登和嬢「それは鯛の難波煮(なんばに)と申して先ず鯛を三枚に卸(お)ろして火の上で炙(や)きます...
村井弦斎 「食道楽」
...炭火の上にのせられて半夜も炙り乾かされているのだ...
柳田国男 「故郷七十年」
...好い色に炙(あぶ)れると抜いて保存しておく...
柳田國男 「食料名彙」
...神路山へ鷹を放って小鳥の肉を炙(あぶ)ったりして...
吉川英治 「宮本武蔵」
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