...却て彼等をして其残杯冷炙に甘ぜしめむとしたるにあらずや...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...工夫の一人はその焚火に半ズボンの尻を炙(あぶ)っていた...
芥川龍之介 「寒さ」
...手炙(てあぶ)りを投げつけた事さへあつた...
芥川龍之介 「庭」
...○烹(に)る○炙(やく)その料理(れうり)によりて猶あるべし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...頭から襟頸から背筋へかけて炙(あぶ)られるように感じる...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...人口に膾炙(くわいしや)してゐる...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...消し炭の火を吹きながら玉蜀黍(とうもろこし)を炙(あぶ)っていた...
徳田秋声 「足迹」
...私が炙りましょう」と云うて女が炙ったのそうな...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ソースがいいとか炙肉(あぶりにく)がよく焼けてるなどと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...百八十七米友に湖魚を炙らせながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...先日博士は生来の健啖(けんたん)に任せて羊の炙肉(あぶりにく)をほとんど一頭分も平らげたが...
中島敦 「文字禍」
...マコモの中でもアヤメ咲くふるくから人口に膾炙した俚謡に「潮来出島(いたこでじま)の真菰(まこも)の中であやめ咲くとはしほらしや」というのがある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...最も人口に膾炙(かいしゃ)された代表作である上に...
正岡容 「我が圓朝研究」
...この句は人口(じんこう)に膾炙(かいしゃ)する句なれども俗気多くして俳句とはいふべからず...
正岡子規 「俳諧大要」
...また串(くし)を廻して肉を炙(あぶ)る事を教えたというも事実であろう(一七四五年板...
南方熊楠 「十二支考」
...フランクリンの凧の逸話は人口に膾炙(かいしゃ)しているが...
宮本百合子 「科学の常識のため」
...別に葱の細かく刻んだのや茗荷(みょうが)だの浅草海苔(あさくさのり)を炙(や)いて揉(も)んだのと紅生姜(べにしょうが)の細かいのだの紫蘇(しそ)だのを薬味にして...
村井弦斎 「食道楽」
...九月二十三日朝又餅(もち)を炙(あぶ)りて食し...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
便利!手書き漢字入力検索