...どこか松に似た逞しい灌木(かんぼく)であった...
海野十三 「火星探険」
...丘は新芽を吹き出したばかりの灌木に囲まれていて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...それにかかわらず道灌山以来余と居士との間にはどうすることも出来ぬある物が常に常に存在していたという事はまた止むを得ぬ事であった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...処々に小さな灌木の茂みが風にそよいでいるだけで...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...幸いにしてとある灌木の木株のところへくると...
中里介山 「大菩薩峠」
...けれども時々痛い小灌木に見舞はれて嫌(いや)な氣持がしないでもない...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...溝と言つても灌漑用(くわんがいよう)の小流れで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...咄嗟に祖父は細い灌木のあひだを縫ふやうに走つてゐる小径を見てとつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...私はその灌木の枝に私のジャケツを引っかけて...
堀辰雄 「美しい村」
...岩崎灌園(いわさきかんえん)の『本草図譜(ほんぞうずふ)』巻之四十八に...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...岩崎灌園の『本草図譜』にサルオガセの図が出ているが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その的物は正にスイカズラ科の落葉灌木なるガマズミである...
牧野富太郎 「植物記」
...まくらの「道灌」ばかりやっていたため道灌(瓢箪)ばかりが売り物(浮きもの)か――なる地口(じぐち)ができたという故人某の思い出とともに結構でした...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...其水溜は又風呂塲ともなり洗濯塲ともなれば田の灌漑にも用ひられる...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...低い灌木(かんぼく)になるコウシキというなどは忘れがたい...
柳田國男 「食料名彙」
...岸に灌木(かんぼく)の茂ったところがある...
山本周五郎 「雨あがる」
...湯灌(ゆかん)をするというらしい...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...名も知らぬ灌木林などで埋つてゐるので見た所いかにも荒涼としてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
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